出遅れ銘柄に資金が流入しているようだ
7/22~26の米国株式市場は、出遅れ銘柄への物色が続く展開を想定。
7/15にパウエルFRB議長は利下げについて「インフレ率が2%に達するまで待たない」と述べ、FRBが9月にも利下げを始めるとの期待が高まっている。足もとの経済指標を受け、米経済のソフトランディングが意識されているようで、これまで相対的に出遅れ感のあった銘柄に資金が流入しやすくなっていたもよう。NYダウは、7/17に最高値を更新した一方、対中規制の強化への懸念や台湾情勢を巡る先行き不透明感等から半導体関連銘柄は大幅に売られ、フィラデルフィア半導体株指数(SOX)は6.8%の下落となった。
7月第4週は、マグニフィセントセブンと呼ばれる巨大テック7社の内テスラ(TSLA、7/23)、アルファベット クラスA(GOOGL、7/23)が決算発表を予定している。今まで株式市場をけん引してきただけに注目度は高いと思われ、決算内容が市場予想に届かなかった場合、失望売りが他のテック企業に波及することも考えられよう。また経済指標では7/26に発表予定のPCEコアデフレーターに注目か。7/11に発表された6月CPIは前月比でマイナスに転じており、インフレ沈静化の継続が示されるかに関心が集まろう。
投資の待機資金にあたる米国のMMF(マネー・マーケット・ファンド)の残高が6兆1443億ドル(ICI、7/10時点)と過去最高水準に。高利回りを狙った資金流入が続いていると見られるが、FRBによる利下げ観測が広がり始めたことを受け、株価下落局面ではMMFに滞留する資金が株式市場に流入することも期待できよう。
(7/18朝記 投資情報部 岩井)