投資家の関心は企業業績へと向かうだろう
7/15~19の米国株式市場は、確りの展開を想定。堅調な企業業績が確認出来れば高値圏にある相場を押し上げそうだ。
注目された6月雇用統計では、非農業部門雇用者数は20.6万人増と予想を上回ったものの、前月分が大幅に下方修正(27.2万人→21.8万人)、失業率も4.1%と前月(4.0%)から悪化し、FRBによる利下げ期待が高まった。好業績が予想される4~6月決算への期待もあり7/10にS&P500、ナスダック総合はともに取引時間中と終値の最高値を更新した。
米国企業ではないが、7/17にオランダの半導体製造装置大手ASMLホールディング、7/18に台湾の半導体ファウンドリーTSMCの決算が予定されている。米国半導体企業決算の前哨戦となりそうで、明るい収益の先行き見通しが示されれば、米国市場でも関連銘柄に買いが広がりそうだ。
インフレが家計を圧迫するなか、7/16に発表予定の6月小売売上高に注目が集まるとみる。消費の減速が確認された場合、景気後退を予防するための早期利下げ観測に繋がろう。また、7月第3週はFOMC前に当局者が発言を控えるブラックアウト期間(7/20~)前にあたり、FRB高官の発言が意識されそう。
米個人投資家協会(AAII)によると、今後6カ月間に株価が上昇すると予想する「強気」の割合は41.7%と「弱気」の割合26.1%を大きく上回っており、米国の個人投資家は当面の株式相場に対して強気姿勢のようだ。
(7/11朝記 投資情報部 岩井)