ハイテク株は好調も経済指標に一喜一憂か
6/3~7の米国株式市場は、もみ合いの展開を想定。5/22に好決算を発表したエヌビディア(NVDA)の上昇を受けてハイテク株は好調な半面、発表される経済指標などに一喜一憂する場面がありそうだ。
5月第4週(5/20~24)のNYダウは週間で934ドル(2.3%)下落し、週間の下げ幅としては今年最大だった。早期利下げ観測の後退や直近の上昇ピッチが早かったこともあり、利益確定の動きが優勢となったようだ。もっとも、投資家心理が弱気であるわけではない。米個人投資家協会(AAII)によると、今後6か月間に株価が上昇すると予想する「強気」の割合は47.0%と4週連続で増加した。将来的な利下げ期待が「強気」の支えとなっているのだろう。
6月は金融セクターに注目したい。FRBは大手銀行を対象とするストレステスト(健全性審査)の結果を6月に公表する予定。昨年は結果を受けて多くの米銀行が増配を打ち出したこともあり、今年も健全性を踏まえた上で、各社が余剰資本を株主に還元する可能性があろう。また、現在の高金利環境の長期化も銀行株の追い風になっていると見る。
経済指標では、6/7に5月雇用統計が発表される予定。前回の4月の統計では労働市場の熱気が冷めつつあることが示唆されたが、今回も同じくインフレ圧力が和らぐ内容となれば、利下げ観測を市場に呼び戻すことも考えられよう。
(5/29記 投資情報部 岩井)