決算発表に注意は必要だが、良好な経済指標が株価下支え
2/5~9の米国株式市場は、個別銘柄の選別が進みそうだ。
1月第4週の米S&P500種株価指数の騰落率は前週末比+1.0%と続伸。第5週の1/29には史上最高値を更新した。決算発表のあったネットフリックス(NFLX)やASMLホールディングス(ASML)等の好決算を背景にハイテクや半導体関連に買いが入ったこと、1/25発表の10~12月期GDP(速報値)が前期比年率+3.3%と、市場予想(同+2.0%、Bloomberg)を上回り、ソフトランディングへの期待が高まったことが株価上昇に繋がったようだ。
指標面での割高感は徐々に強まっている。S&P500種株価指数の調整予想PER(指数の当年度の予想株価収益率)は足もとおよそ20倍の水準にあり、ITバブル期に付けた25倍に近付いている。もっとも、投資の待機資金にあたる米MMF(マネー・マーケット・ファンド)は6兆ドルに迫り、過去最大規模にある。決算、経済指標の発表等のイベントによって、株価が下落した局面では押し目買いが入りそうだ。
2/2には1月雇用統計が発表予定。今回の非農業部門雇用者数は前月比18.5万人増と予想(1/30時点、Bloomberg)されているが、強い数字が出た場合は、早期利下げ観測の後退から利益確定の動きが強まることもありそうだ。また、2/6にはイーライリリー(LLY)が決算発表を予定している。肥満症治療薬に対する成長期待があり注目か。
(1/31記 投資情報部 岩井)