タックスロスセリングをこなし、年末ラリーに期待
12/11~15の米国株式市場は、堅調な展開を想定。
11/30に開催されたOPECプラスでは、アフリカの産油国の反発から追加の協調減産を見送った。サウジアラビアやロシアは自主減産の期間をそれぞれ来年3月まで延長し、一部の国は追加の自主減産を発表。需給の緩和観測となりWTI原油先物価格は下落基調が続いている。一方、NY金先物は最高値を更新。初めて1トロイオンス2,100ドルを突破した。FRBが24年にも利下げに転じるとの見方が、金利のない金を買う一つの理由となっているようだ。
経済イベントを順調に通過している。12/1発表のISM製造業景況感指数は46.7と市場予想47.8を下回った。悪すぎない結果は、金融引き締めを触発しにくく株式市場にとっては好感される内容とみる。S&P500種株価指数に占める割合が3割近いマグニフィセント・セブンに偏重した状況は、「過ぎたるは及ばざるがごとし」だが、米国へ投資をする根拠となるだろう。
12/12~13のFOMCを無事通過しても年内の重要経済イベントは主だったものは少なく、タックスロスセリングにより下落が続く小型株のロスカットと、大型株の利益確定を主導する相場展開が予想される。もっとも来年の利下げを見据えた買いが相場の下支えになることや、下馬評では低調を見込んでいた年末商戦も、ここにきて復調の兆しが出ている。年末ラリーとなることに期待したい。
(12/6記 投資情報部 清水)