10年国債利回りの低下が株価上昇の追い風に
12/4~8の米国株式市場は、堅調な展開を想定。
11月第4週のS&P500は前週末比+1.0%と続伸。11/23は感謝祭で休場、11/24は短縮取引となり薄商いではあったが、利上げ打ち止め期待から10年国債利回りは4.4%を挟んだ水準で推移し、堅調な値動きとなった。
足もと、S&P500株式益利回りと10年国債利回りが約21年ぶりの同水準にある。10/23に10年国債利回りは一時5%台まで上昇したこともあり、S&P500は国債と比べて割高感が強まっている。金融引締めが株式投資の妙味を低下させていることを留意しておきたい。もっとも、このままインフレが鈍化し、10年国債利回りが低下傾向を続けるようであれば、割高感は徐々に解消され、7/27に付けた4,607.07ptを目指す動きとなろう。
経済指標では12/8に11月雇用統計、失業率が発表予定。12/12~13にFOMCを控え、今後の金融政策を予想するうえで、重要な材料として注目されそうだ。もし前回の発表と同じように、労働市場の軟化を示す結果が確認されれば、利上げ打ち止め期待が強まり、株価上昇の追い風となろう。また、米個人投資家協会(AAII)の週間調査によると、今後6カ月の株式市場を強気にみている個人の比率は45.3%。足もと、過去1年の平均値(37.5%)を超えた水準で推移しており、投資意欲の強さもみられる。
(11/29記 投資情報部 岩井)