FOMCの利上げ見送りを織り込み、投資家の目は決算に
10/30~11/3の米国株式市場は底堅い展開か。
10月第3週のS&P500は前週末比-2.3%と反落。外部要因の更なる不安定化、米政府によるAI向けなどの半導体の対中輸出規制を強化する方針を示したことで、大手半導体は売り優勢となった。また、小売売上高の前月比の伸び率が市場予想を上回り、長期金利が上昇したことも株価の重荷に。
堅調な経済指標が金利上昇に繋がっているが、FOMC(10/31~11/1)で追加利上げを見送る公算が大きいと考える。FRBが対外発信を控えるブラックアウト期間前の高官の発言や、10/19のパウエル議長の講演でも利上げ見送りの見解が示された。FFレート先物も徐々に下落を見込んでいる(下左図)。また、長期金利上昇による経済の影響が利上げの代替になる旨の発言が相次いだことからも、今回の会合は無風通過と予想する。
11/3には10月米雇用統計が発表される。前回33.6万人から市場予想は18.5万人と非農業雇用者数の鈍化が想定されている。パウエル議長は賃金の伸びを示す指標は2%のインフレ目標と一致する水準まで徐々に低下していることについて言及しており、金利動向とともに注視したい。
個別銘柄では、11/2に決算発表予定のアップル(AAPL)、イーライリリー(LLY)に注目か。今年に入り2銘柄の株価はS&P500を上回り、堅調(下右図)。決算発表後は、内容を好感した買いが期待できよう。
(10/25記 投資情報部 岩井)