地政学的リスクに注意が必要も確りの展開か
10/16~20の米国株式市場は確りの展開を想定する。
10月第1週のS&P500は前週末比+0.4%と反発。10/6に発表された9月の雇用統計で就業者数は33.6万人増と市場の予想(17.0万人)を大きく上回ったことを受けて、10年物国債利回りが一時4.88%となり、2007年8月以来約16年ぶりの高水準をつけた(下段左図)。しかし失業率が8月と同じ3.8%となり、市場予想(3.7%)を上回ったこと、平均時給の伸び率が前月比+0.2%とこちらも市場予想(+0.3%)を下回ったことで賃金インフレへの警戒感が和らいだことが株価の反発を促したようだ。
同週、S&P500の11セクターでは情報技術、ヘルスケア、コミュニケーションの3セクターが上昇した。個別では、アリスタ・ネットワークス(ANET)、エヌビディア(NVDA)といった情報技術銘柄が堅調。一方、石油のエクソン・モービル(XOM)は世界的な金利上昇が景気を冷やし、原油需要が弱含むとの観測から景気先行き懸念が強まり大きく売られたようだ。企業の決算発表(下段右図)が本格化し始め、10/18のネットフリックス、テスラ等に注目か。
突発的なハマスのイスラエルへの攻撃は懸念材料ではあるが、主要な経済指標が無難に通過したため投資家の注目は決算発表に移ると考える。米景気の底堅さを背景に株価は確りの動きを予想する。経済指標等では、10/17発表の9月小売売上高、10/18の地区連銀経済報告(ベージュブック)等に注目したい。
(10/11記 投資情報部 岩井)