市場リスクは低下し、景気見通しも良好とみる
9/11~9/15の米国株式市場は、堅調な展開を想定する。
S&P500の8月第5週は+2.5%と続伸した。8/29に発表された7月の米雇用動態調査(JOLTS)や8/30発表の8月ADP全米雇用リポートなどの雇用関連指標が市場予想よりも悪化した。9/1公表の8月雇用統計では失業率が市場予想を上回り、昨年2月以来の高水準となるなど労働市場の需給緩和でインフレ圧力が減退し、FRBによる追加利上げは難しくなるとの見方が株式の買い安心感につながったようだ。
S&P500の11セクターでは、公益と生活必需品のみが下落した(下段右図)。個別では、マイクロン・テクノロジー(MU)やインテル(INTC)等の半導体関連銘柄が堅調。一方、小売りのダラー・ゼネラル(DG)は8/31に発表した2023年5~7月期決算の主要項目が市場予想を下回り、2024年1月期通期の見通しも下方修正したことを嫌気した売りにより大きく下落した。決算発表では9/14発表のアドビ(ADBE)に注目したい。
足もと、VIX指数は14台と新型コロナ禍以降の低位に位置しており市場のリスクは高まっていない状況。ブルームバーグ経済サプライズ指数はなお高止まりしており市場の景気見通しは良好とみる。経済指標等では、9/13発表の8月CPI、9/14発表の8月PPI、8月小売売上高、9/15発表の9月ミシガン大学消費者信頼感指数の内容に注目か。
(9/6記 投資情報部 松川)