イベントの無難な通過により底堅い展開を見込む
9/5~8の米国株式市場は、底堅い展開を想定する。
S&P500の8月第4週は小幅に反発。週前半の8/21には、8/7のムーディーズ・インベスターズ・サービスの格下げに続いて、S&Pグローバル・レーティングスが一部の米地銀を格下げしたことから、金融機関の経営環境の厳しさが改めて意識され金融株への売りが目立った。週後半にかけては米10年債利回りの上昇も一服したことから、ハイテク関連銘柄を中心に買い直される場面もあった。8/25にFRBのパウエル議長がジャクソンホール会議で講演し、今後の利上げに関しては、データや経済見通しなどを見極めながら慎重に判断するとした。年内の追加利上げの可能性を改めて示したものの、同会議は無難に通過したと見る。
個別では、8/23に半導体のエヌビディア(NVDA)が2023年5~7月期決算を発表し、売上高、純利益とも四半期として過去最高となった。生成AI需要を追い風として業績拡大が続いており、引き続きアナリストの目標株価引き上げを好感して上昇。一方、小売りのダラー・ツリー(DLTR)は2023年8~10月期の1株利益予想が市場予想に届かず大きく下落。決算発表では、9/5発表予定のゼットスケーラー(ZS)と9/7発表予定のドキュサイン(DOCU)に注目か。
米国市場は9/4がレイバー・デーの祝日のため休場となる。経済指標等では、9/6発表のISM非製造業景況指数やベージュブック(地区連銀経済報告書)の内容に注目か。9/9以降はFOMC開催前のブラックアウト期間に入る。
(8/30記 投資情報部 松川)