企業業績は好調も、目先は米長期金利上昇が重荷か
8/28~9/1の米国株式市場は、上値の重い展開を想定する。
S&P500の8月第3週は続落。8/15発表の中国7月主要経済指標が市場予想を下回り、同国経済の先行きに対する不透明感を誘った。また、米長期金利の指標である10年債利回りが高止まりするなか、米金融セクターに対する先行き不透明感から幅広く売りが出たもよう。S&P500の全11セクターが下落となったが、一般消費財、不動産セクターの下げが特に大きかった。個別では、相次ぐアナリストの目標株価引き上げを好感して半導体のエヌビディア(NVDA)が上昇。一方、電気自動車のテスラ(TSLA)は中国での値下げにより先行きに慎重な見方が広がった事から軟調に推移。キーサイト・テクノロジーズ(KEYS)は8/17に発表した決算発表で業績見通しが市場予想に届かず大きく売られた。
決算発表では、8/30発表予定のセールスフォース(CRM)とクラウドストライク・ホールディングス(CRWD)、ブロードコム(AVGO、8/31発表予定)等に注目か。既に決算発表を終えたS&P500採用銘柄472社の内79%の企業が市場の利益予想を上回っている。また、S&P500採用銘柄(エネルギーセクター除く)の増益率は23年2Qの前年同期比3.0%増益予想から、23年3Qが同6.9%増益と、回復が見込まれており(8/18時点、Refinitiv予想)、引き続き底堅い企業業績が相場を支えよう。
経済指標等では、8/31発表7月PCEデフレーター、9/1発表の8月雇用統計と8月ISM製造業景況指数に注目か。
(8/23記 投資情報部 松川)