企業業績は底堅く引き続き堅調な地合いを想定
7/31~8/4の米国株式市場は、引き続き堅調な展開か。
S&P500の7月第3週騰落率は+0.7%。7/20に発表された米新規失業保険申請件数は前週から減少し、市場予想も下回った。米国労働市場の堅調さを示す内容との受け止めから米長期金利が上昇し、セクター別では、情報技術、コミュニケーション、一般消費財セクターが軟調な展開となり、ヘルスケア、公益、生活必需品等のディフェンシブセクターは堅調だった。個別では、ヘルスケアセクターのアボット・ラボラトリーズ(ABT)やアッヴィ(ABBV)等が好調。一方で、テスラ(TSLA)は7/19に発表した23年4~6月期決算で利益率が市場予想を下回り、採算悪化の継続を嫌気した売りが出て下落した。
決算発表では、オンセミコンダクター(ON、7/31発表予定)や、8/3に発表予定のアップル(AAPL)、アマゾン・ドット・コム(AMZN)に注目か。既に決算発表を終えたS&P500採用銘柄89社のうち73%の企業が市場の利益予想を上回っており(7/21時点)、堅調な滑り出しとなっている。
8/4には米雇用統計が発表される予定。金利先物市場は7月FOMCでの利上げ打ち止めを折り込んでいるが、米労働市場の底堅さを示すような内容であれば株式市場が一旦下押しする場面も。一方、7/20発表の米個人投資家協会(AAII)の週間調査によれば、今後6カ月の株式市場を強気にみている個人の比率は51.4%と21年4月以来の高水準となった。
(7/26記 投資情報部 松川)