株高の裾野が広がりつつあるもよう
6/26~30の米国株式市場は、底堅い展開か。
「強気相場」入りしたとみられるS&P500。相場の牽引役はAIへの期待高まる情報技術セクターであり、マイクロソフト(MSFT)が上場来高値を更新(6/15、終値ベース)する等、堅調に推移。また、ボーイング(BA)は6/18、主力の737型機の増産予定(月間31機⇒38機)を発表した。資本財や素材等、出遅れ気味な景気敏感セクターを見直す動きもあり、上昇相場の裾野は広がりつつあるもよう。
6月FOMCでは、根強いインフレを背景に年末の政策金利見通しが上方修正(5.1%⇒5.6%)され、2回分の追加利上げが示唆された。もっとも、市場はFRBの強気な利上げ見通しには懐疑的。米新規失業保険申請件数はじわりと増加しつつあり、企業景況感は低下傾向で、利上げはあってもあと1回との見方が優勢か。利上げ終了は近いとの見方から米10年国債利回りは上昇しにくく、株式市場への資金流入が期待されよう。
6/28にはメモリ大手マイクロンテクノロジー(MU)が決算発表を予定。DRAMの価格(DDR4型8ギガビット品)は下落傾向で、在庫調整の進展具合に注目か。3~5月期の前年同期比57%減収(Bloomberg予想)を底に業績が持ち直す、との見方が市場コンセンサス。同社が明るい先行きを示せれば、半導体株の追い風となろう。6/29にはナイキ(NKE)が決算発表を予定。米小売り動向と消費者心理は底堅く、堅調な3~5月決算を期待したい。
(6/21記 投資情報部 吉川)