利上げ見送りと売り方の買い戻しが追い風となろう
6/20~23の米国株式市場は、堅調な展開か。
6/8にS&P500は4293.93ptで終了し、22年10月に付けた直近安値(終値ベース)からの上昇率は20%に達し、「強気相場」入りか。利上げ終了が近いとみられることやAIへの期待等が背景に。6月FOMCにて、政策金利は5~5.25%に据え置かれ、FRBが示す年末政策金利見通しは5.5~5.75%と、利上げはあってもあと2回か。米10年国債利回りの上昇余地は小さく、株式市場への資金流入が期待されよう。
個人投資家心理は強気に傾く。アップル(AAPL)が上場来高値を更新(6/12、終値ベース)し、テスラ(TSLA)が過去最長の13日続伸(6/13時点)となる等、ハイテク株が相場を牽引。MMF(マネーマーケットファンド)の残高は足もと約5.4兆ドルと過去最高水準で、待機資金は豊富か。
需給面も良好か。投機筋のS&P500先物ネットポジションは足もと34.4万枚の売り越しと5/30時点(43.4万枚の売り越し)から減少も、なお大きく売りに傾く。過度な悲観は徐々に後退しつつあり、売り方の買い戻しが期待できよう。
バイオジェン(BIIB)のアルツハイマー病治療薬「レカネマブ」について、FDA諮問委員会(6/9)は正式承認を推奨。7月初旬に正式承認の可能性も。出遅れ気味のヘルスケアセクターが見直されよう。また、サイバーセキュリティーのパロアルトネットワークス(PANW)がS&P500に、パワー半導体のオンセミコンダクター(ON)がナスダック100に、共に6/20に採用される予定。
(6/15朝記 投資情報部 吉川)