情報技術セクターが相場を下支えか
5/22~26の米国株式市場は、底堅い展開か。米債務上限問題に進展の兆しが出始めているもよう。また、決算への期待感と利上げ打ち止め観測が下支え要因となろう。
FRBは5月FOMCにて様子見姿勢に転じ、金利先物市場は6月FOMCでの政策金利据え置きを8割方織り込んでいる。シカゴやニューヨークの連銀総裁は金利据え置き支持に傾いているもようで、今後同調するFRB高官が増えるようであれば、株式相場の支えとなろう。
企業業績も底堅い。S&P500種株価指数採用銘柄の内457社が23年1Qの決算発表を終え、77%の企業が市場の利益予想を上回っている。情報技術セクターは90%の企業が市場の利益予想を上回っており特に好調となっている。
一部地銀の経営不安から米銀の株価推移は不安定であり、融資態度は厳格化している。景気悪化懸念から景気敏感株が多いダウ平均は軟調推移となる一方、ハイテク株の多いナスダック総合指数は堅調推移。大手IT企業のクラウド部門が減速傾向を示す等、景気減速の影響はあるものの、AI活用等による中長期的な成長余地が評価されているもよう。
5/24にエヌビディア(NVDA)の決算発表を予定。前回決算時、同社CEOは「AIは転換点を迎えた」としており、AI向けにどの程度の引合いがあるのか、経営陣の発言に注目か。5/23に決算発表予定のパロアルトネットワークス(PANW)については、同業のゼットスケーラー(ZS)が23/7期の売上予想を上方修正(5/8)しており、業界大手として市場の期待は高そうだ。
(5/18朝記 投資情報部 吉川)