底堅い企業業績が相場を下支えしよう
5/15~19の米国株式市場は、底堅い展開か。米利上げ打ち止め観測からS&P500の予想PERは上昇傾向、底堅い決算で予想EPSは回復傾向。一方、銀行株への警戒感は継続か。
5月FOMCでは0.25%の利上げ(政策金利は5~5.25%に)が実行された。FRBは声明文から「追加的な引締めが適切」との文言を削除し、様子見姿勢に転じた。会合後の会見でパウエルFRB議長は「今後特に注目するのは、与信の引締まりや中小銀行の信用基準」と発言、金融安定に注力する姿勢を示し、金利先物市場は6月FOMCでの政策金利維持を9割方織り込む。利上げ打ち止めとの見方が支配的となる中で、米10年国債利回りは低位安定となり、株式相場にとって追い風となろう。
S&P500種株価指数採用銘柄の内419社が決算発表を終え、77%の企業が市場の利益予想を超えた。S&P500種株価指数の23年1Qの増益率予想は5/5時点で前年比2.4%減益(エネルギー除く、Refinitiv予想)と、4/7時点の前年比6.7%減益(同)から上方修正された。情報技術セクターが特に好調であり、大手IT企業が相場を下支えしよう。
銀行株の乱高下は不安材料か。5/4、米国銀行協会は、「財務が良好にもかかわらず、大規模な空売りを受けている銀行がある」として、SEC(米証券取引委員会)に実態調査を依頼。空売り規制等が警戒されることで、今後、KBW銀行株指数が安定してくれば、底堅い企業業績を素直に好感する地合いとなろう。
(5/10記 投資情報部 吉川)