米銀システム不安一服、底堅い展開か
4/3~6の米国株式市場は、底堅い展開か。
FRBの金融規制担当副議長のバー氏は3/27、米銀行システムは「健全で強靭だ」とし、「必要があればすべての手段を使う用意がある」との立場を表明。シリコンバレー銀行の買収先が決まった(3/26)こともあり、市場に安心感が広がっている。3月半ばに30に迫ったVIX指数(20を超えると投資家の不安心理が高まった状態とされる)は足もと20付近まで下がってきた。また、利上げ停止が近いとの見方から米10年債利回りは低位に留まり、株式相場を下支えしよう。
米金融状況指数は3/29時点で▲0.559と引締まった状況ではあるが、過去のショック時と比べその程度は小さい。貸出態度厳格化等で今後マイナス幅拡大の可能性はあろうが、金融当局の対応は早い。FRBは貸出プログラムにて流動性供給を始めており、危機の芽は未然に摘み取られるとみる。
企業業績への期待感は持続しているもよう。景気敏感株の多いダウ平均の予想EPSは下げ渋っており、ハイテク株の多いナスダック総合指数の予想EPSは増加傾向。人員削減やAI活用等が企業利益押し上げ要因となろう。
ティックトックCEOに対する米議会での公聴会は物別れに終わり、コミュニケーションセクターへの追い風は続こう。また、メモリ大手マイクロン・テクノロジー(MU)の決算(3/28)では在庫調整の進展が示され、低迷期脱却期待が継続しそう。テスラ(TSLA)は1~3月の納車台数を4月初旬(昨年は4/2)に発表か。市場予想は前年比35%増の約42万台となっている。
(3/29記 投資情報部 吉川)