FOMCをきっかけに底堅い展開か
3/20~24の米国株式市場は、底堅い展開か。FRBが引締め姿勢を緩め、株式市場に安心感が広がるとみる。
相次ぐ米銀破綻を受けて、リスク回避姿勢が強まりS&P500指数は調整局面に。3/13までの1週間に金融セクターが12%下落、エネルギーや素材など景気敏感セクターの下げが目立つ。金融機関が貸し出し姿勢を厳格化し景気が下押しされる、との懸念が背景か。米10年債利回りは4%近辺(3/9)から足もと3.6%付近まで低下も、株式の値ごろ感よりも企業利益減少への警戒感がやや強いもよう。
FOMC(3/21~22)にて、FRBのタカ派(物価安定重視)姿勢が弱まったことが確認されれば、株式市場に徐々に安心感が広がろう。利上げ打ち止めや量的引締めペースの緩和等、金融システム安定化に向けた施策に期待したい。
もっとも、年内の利下げを期待する向きもあるが、インフレへの警戒感からハードルは高いとみる。ムーディーズが米銀行システムに対する見通しを「安定的」から「ネガティブ」に引下げたことで、金融システム不安は燻り続けよう。当面の相場展開は底堅いとみるも神経質な場面も出てこよう。生活必需品や公益、ヘルスケアなどディフェンシブ銘柄を物色しつつ景気敏感セクターの持ち直しを待ちたい。
物色対象としてキャッシュリッチ企業にも注目したい。コロナ下で好業績を挙げた大手IT企業等が該当しており、リスク回避局面で底堅さを発揮している。人員削減を粛々と進める手堅い経営方針やAI活用による成長機会等が評価されているとみる。
(3/15記 投資情報部 吉川)