米金利高止まりを想定、個別物色か
3/6~10の米国株式市場は、上値が重い展開か。
米景気は底堅く、物価指標が下げ渋る中で米金利は上昇傾向、S&P500指数は調整色を強めている。3/7予定のパウエルFRB議長の議会証言には要警戒。2/22の5年債入札と2/23の7年債入札は共に低調、3/8の米10年国債入札も低調か。3/10には2月雇用統計も控え、10年債利回りは週を通して高止まりするとみる。好業績銘柄中心に個別物色の展開を予想。直近決算が市場予想を上回る傾向が強かった情報技術セクターとヘルスケアセクターに期待したい。
中国の経済活動再開や23年後半以降のPC市況回復期待等を背景にフィラデルフィア半導体指数は戻り歩調。インテル(INTC)のシェアを奪いつつあるアドバンスト・マイクロ・デバイセズ(AMD)、新型の露光装置を発売した製造装置のアプライド・マテリアルズ(AMAT)、アナログ半導体のテキサス・インスツルメンツ(TXN)等に注目か。一方、業績不振のインテルは2/22に減配(四半期配当、0.365⇒0.125ドル)を発表、低調な株価推移が続きそうだ。
サイバーセキュリティー大手パロアルト・ネットワークス(PANW)は2/21に好決算を発表。幅広い製品群を背景にベンダー集約の流れを味方に付けたもよう。3/7発表予定のクラウドストライク(CRWD)の決算は冴えない可能性も。
ヘルスケアセクターでは、肥満症治療薬の治験が進むイーライリリー(LLY)、モデルナと共同でがんワクチンを開発中のメルク(MRK)に注目か。
(3/1記 投資情報部 吉川)