FOMC通過後戻りを試す展開か
12/12~16の米国株式市場はFOMC通過後に戻りを試す展開を想定する。
12/2発表の雇用統計の非農業部門雇用者数が26.3万人増で市場予想の20万人を大きく上回り、雇用情勢の強さからFRBがタカ派シフトするとの見方が浮上しFOMC前に調整が進んでいるようだ。ただ、家計調査を見ると、就業者数と労働力人口がともに減少し雇用環境は悪化に向かい始めた印象。また雇用統計は12日を含む週を集計対象とすることから、ビッグテックのリストラなどが十分に反映されていない可能性があると考える。この他チャレンジャー人員削減数も前年比416.5%増となっている。既に雇用情勢は悪化に向かっていると考える。
12/13にCPIの発表が予定されるが、市場予想はコアCPIで前年比6.1%上昇にとどまる見通し。11月のブラックフライデーなどでは超過在庫の処分のため、通常より割引率が大きかったとされており、物価上昇圧力緩和を再確認することになると予想する。
12月FOMCでの利上げペースの50bpへの減速は既に既定路線と考えられあまり材料視されないだろう。一方、ドットチャートの23年のFFレートの中央値が5%前後に留まれば、凡そ市場予想通りということになり、23年前半での利上げの打ち止めを意識した相場展開となると考える。ISM非製造業や雇用統計の強さから、CPIの内容を受けても十分戻りを試せていなかった場合、本格的に戻りを試し始めると考える。
(12/7記 投資情報部 藤本)