【世界市場の見通し】日米は堅調推移、中国は上値の重い展開か
6/5~9の世界市場は、日米堅調、中国は上値が重いとみる。
日本株式市場は、確りの展開か。日経平均は一時、心理的節目である31,500円を上回るなど過熱感が意識される状況か。もっとも、このところの指数上昇は、生成AI(人工知能)ブームによる半導体需要の拡大期待を背景とした値がさハイテク株の上昇にありそうで、TOPIXから株式市場全体を見れば、日経平均ほどの過熱感や、高値警戒感はなさそうか。バリュー株からグロース株への循環物色が上手く進んでいるとも言えそうだ。
米国株式市場は、堅調な展開とみる。債務上限問題は峠を越えて、リスク選好ムードか。S&P500指数は累積売買高が最大となる価格帯(4150pt付近)を上抜けつつあり、テクニカル面も良好か。もっとも、2011年においては、債務上限を引上げる法案が成立した8/2の3日後に一部米格付け会社による米国債の格下げが実行されており、株価調整リスクが存続していることには留意したい。
中国株式市場は、上値の重い展開となろう。5月購買担当者景気指数(PMI)は製造業、非製造業共に4月から低下。投資家は政府の景気下支え策と早期の景気回復を期待しているようだ。中国市場、特に香港は既に割安感が出ているものの、景気下支え策の発表がなければ目先、もう一段安の可能性もあろう。
(5/31記 投資情報部)
【日本株投資戦略】SQなどで波乱なら、それは恵みの雨と捉えたい
6/5~9の日本株式市場は、確りの展開を想定する。
日経平均は一時、心理的節目である31,500円を上回るなど過熱感が意識される状況か。もっとも、このところの指数上昇は、生成AI(人工知能)ブームによる半導体需要の拡大期待を背景とした値がさハイテク株の上昇にありそうで、TOPIXから株式市場全体を見れば、日経平均ほどの過熱感や、高値警戒感はなさそうか。バリュー株からグロース株への循環物色が上手く進んでいるとも言えそうだ。
値上がり銘柄数を値下がり銘柄数で割って算出する東証プライム市場の騰落レシオ(25日移動平均)は、直近ピークの148.86%(5/16)から98.88%(5/31)まで低下、やや落ち着きを見せ始めている。ちなみに、騰落レシオは、一般的に120%を上回ると「買われすぎ」、140%を超えると「天井圏」を示すとされる。
なお6/9はオプション・先物のSQで、最終売買日である6/8は短期筋の先物主導による高値波乱の可能性もあり留意が必要か。押し目があるようなら慈雨と捉えたい。
大阪取引所は5/29から日経225マイクロ先物の取引を開始した。日経225マイクロ先物の最低取引単位(1枚)は日経平均を10倍した金額となる。これは、日経225先物を10分の1(ミニ化)にした日経225miniを、さらに10分の1(マイクロ化)にしたもので、大阪取引所に上場している先物のなかで最も小さい。現物市場における投資の小口化の進展等を背景に、より細やかなリスク管理手段に対するニーズの高まりを踏まえたと言えよう。
(5/31記 投資情報部 大塚)