【世界市場の見通し】日米は堅調、中国は方向感のない展開か
6/12~16の世界市場は、日米は堅調、中国は方向感のない展開か。
日本株式市場は、確りの展開か。日経平均は33年ぶりの高値圏にあり、警戒感を抱いたり利食い目線で相場を見る国内投資家が多いように思われるが、日経500は21年に付けた上場来高値に迫る勢いで、日経平均の先を行く格好に。もちろん、上がり続ける相場はなく、5/31や6/7のように大きく下落する場面もあろうが、上昇基調は継続すると考える。
米国株式市場は、底堅い展開とみる。米5月雇用統計で失業率が上昇し、ISM景況感指数も冴えず、6月FOMC(6/13~14)では利上げ見送り観測が優勢に。また、6/13発表予定の米5月CPIは前年同月比4.1%上昇(Bloomberg予想)と、前月(同4.9%上昇)から大幅に減速する見込み。米10年債利回りの上昇余地は小さい、との見方が株式相場を支えよう。
中国株式市場は、方向感のない展開となろう。6/15発表予定の5月経済指標は必ずしも悪くないだろう。ただ、①中国の景気回復がまだら模様であること、②地方政府の債務問題もあり政府がインフラ投資を含む景気刺激策を躊躇しているとみられること、③米中関係の悪化等地政学的リスクが高まっていることなどを考慮すると、経済指標が比較的堅調でも、株価が素直に反応するにはしばらく時間が必要かもしれない。
(6/7記 投資情報部)
【日本株投資戦略】日本がデフレから脱却するとの期待
6/12~16の日本株式市場は、確りの展開を想定する。
日経平均は33年ぶりの高値圏にあり、警戒感を抱いたり利食い目線で相場を見る国内投資家が多いように思われるが、日経500は21年に付けた上場来高値に迫る勢いで、日経平均の先を行く格好に。もちろん、上がり続ける相場はなく、5/31や6/7のように大きく下落する場面もあろうが、以下に述べる理由から上昇基調は継続すると考える。
海外投資家の買いが強い日本株をもたらしていると思われるが、買いの背景には日本がデフレから脱却するとの期待があると考える。賃上げや価格転嫁が可能になり始めた日本経済の構造変化に期待した買いとも言えよう。東証による低PBR企業への改善策要請の動きも好材料に。バリュエーションを切り上げながら、相場が上昇する局面か。
なお、来週は中央銀行ウイーク(米FOMCが6/13~14、日銀金融政策決定会合が6/15~16、ECB理事会が6/15に開催される予定)となっており、波乱はないと予想するが、一時的に様子見姿勢が強まる場面がありそうだ。
6/13からIPO(新規株式公開)が再開する。今後東証グロース市場を中心に21社が上場を予定しており、IPOラッシュに近い状況か。個人投資家を中心に新興市場への投資意欲回復が期待される。
6月は3月決算企業の定時株主総会シーズン。東証の集計によれば、開催日のピークは6/29で集中率は26.4%(4/21時点)。株主総会が株主との重要な対話の場であるとの認識が浸透してきたと思われる。
(6/7記 投資情報部 大塚)