【世界市場の見通し】日本はもみ合い、米中はリスク回避地合いか
5/29~6/2の世界市場は、過熱感のある日本がもみ合い、債務上限問題に揺れる米国とコロナ感染拡大が懸念される中国が不安定な展開になるとみる。
日本株式市場は、もみ合いの展開か。足もと、日経平均は1990年以来約33年ぶりの高値圏での推移に。東証プライム市場の売買代金は3兆円を上回る日が増え活況に。企業の構造改革が進むとの期待や、欧米との比較で金融政策や景況感などで日本の投資環境が安定していることなどが、日本株が買われる理由と見る。海外投資家の買いが相場上昇をけん引している状況だが、さすがに過熱感も。
米国株式市場は、神経質な展開か。債務上限を巡る協議の進捗具合に一喜一憂することになろう。足もとVIX指数は20近辺と、米銀不安が高まった3月中旬と比べ低い。債務上限問題が深刻化する場合の株価下落余地は大きいか。もっとも、1~3月の企業決算は底堅く、パウエルFRB議長が6月FOMCでの政策金利据え置きを示唆する等、本来株式相場の地合いは良好とみる。急落場面があれば押し目と捉えたい。
中国株式市場は不安定な動きとなろう。米中摩擦等の悪材料は徐々に好転するとみるが、新型コロナの感染拡大懸念で株価は不安定となろう。1月の感染拡大時をみると、株価は、感染ピークアウト前には神経質な動きだったが、その後は本格的な回復へ転じた。今回もしばらく忍耐が必要かもしれない。
(5/25朝記 投資情報部)
【日本株投資戦略】2013年にアベノミクスで大幅高したイメージに近いか
5/29~6/2の日本株式市場は、もみ合いの展開を予想する。
足もと、日経平均は1990年以来約33年ぶりの高値圏での推移に。東証プライム市場の売買代金は3兆円を上回る日が増え活況に。東証による資本効率の改善要請をきっかけに企業の構造改革が進むとの期待や、欧米との比較で金融政策や景況感などで日本の投資環境が安定していることなどが、日本株が買われる理由と見る。海外投資家の買いが相場上昇をけん引している状況だが、さすがに過熱感も。
投資部門別売買状況によれば、足もと海外投資家は日本株を6週連続で買い越している(現物+先物、差引き)が、コロナ後(20年1月第1週から23年5月第2週として)で見れば、まだ約8.98兆円の売り越しに。テクニカルな過熱感を冷ます必要はありそうだが、まだ海外投資家の買い余力や株価の上値余地はありそうだ。なお、同期間の事業法人は約9.11兆円の買い越し、個人は約0.88兆円の売り越しとなった。ちなみに、アベノミクス相場の初期である2013年に、海外投資家は約15.67兆円買い越している。
G7広島サミットは5/21に閉幕。サミットを無事通過したことで内閣支持率は回復傾向にあるようで、投資家の関心は内政に向かいそう。一部報道によれば、政府は経済財政運営の指針である「骨太の方針」を6月半ば頃に閣議決定するもよう。少子化対策や防衛費等の問題に関し、国民の信を問う場面があるかもしれない。なお、通常国会の会期末は6/21の予定。
(5/24記 投資情報部 大塚)