【世界市場の見通し】日米は決算をこなしつつ下げ渋り、中国は上値が重い展開か
5/1~12の世界市場は、日米が底堅く、中国は回復が鈍いか。
日本株式市場は、もみ合いの展開を想定。日経平均は4月半ばからの上昇で高値近辺に位置しており、テクニカルな過熱感を日柄をかけて冷ます必要がありそうだ。本格的な決算発表シーズン入りしたことで、選別物色が強まると見る。決算発表のピークは5/12。内容を見極めたいとする投資家が多いと思われ、上値は限られよう。インバウンド需要の回復期待や賃上げなどを材料に内需関連株が株式市場を下支えする流れが継続すると考える。
米国株式市場は、底堅い展開か。5月FOMC(5/2~3)では0.25%の利上げと利上げ打ち止めを見込む。米10年債利回りの上昇余地は小さい、との見方が株式相場を下支えか。米ISM景況感指数や米雇用統計等の経済指標発表が予定されているが、冴えなければ利下げ期待、堅調であれば企業業績への期待感、となり波乱材料にはなりにくいとみる。一部地方銀行の預金流出が注目されているが、小規模米銀全体の預金量は3月下旬から増加に転じており、過度な懸念は不要とみる。
中国株式市場は上値の重い展開を見込む。足元で中国株は軟調な地合いが続いている背景としては、米中の緊張関係と不動産税導入の可能性等が挙げられる。バイデン米大統領が米国企業による中国の重要産業等への投資規制強化を5/19から始まるG7首脳会議前に発表すると報じられる。不動産税については、4/25に不動産税の導入に必要な中国国内の不動産登記システムが整備されたと報じられた。米制裁発表までは株価の回復が鈍いか。
(4/27朝記 投資情報部)
【日本株投資戦略】個別好業績銘柄の選別物色が強まると見る
5/1~12の日本株式市場は、もみ合いの展開を想定する。
日経平均は4月半ばからの上昇で高値近辺に位置しており、テクニカルな過熱感を日柄をかけて冷ます必要がありそうだ。基本的には、本格的な決算発表シーズン入りしたことで、実績や業績予想等に基づいた個別好業績銘柄の選別物色が強まると見る。決算発表のピークは5/12の1,082社(QUICK集計、全決算期、4/26時点)。内容を見極めたいとする投資家が多いと思われ、上値は限られよう。インバウンド需要の回復期待や賃上げなどを材料に内需関連株が株式市場を下支えする流れが継続すると考える。
4/29からGWがスタートし、5月第1週の立合いは5/1~2の2営業日のみに。米国では決算発表が続き、5/2~3には米FOMCが開催され、5/5には米4月の雇用統計が発表される予定で、重要イベントが多い印象か。大型連休明けの5/8の寄り付きは、様々な材料を織り込む必要がありそうで、場合によっては波乱の展開になることに留意したい。
決算発表時に会社側が示す今期(24.3期)業績見通しは、不透明な外部環境や物価高などを背景に保守的なものになる見込み。もっとも、足もと見通しに対する期待が高まる状況ではない。故に失望することもないだろう。弱めの業績予想の背景が一過性の要因で、中長期の競争力が損なわれないのであれば、押し目は買い場と見る。
(4/26記 投資情報部 大塚)