【世界市場の見通し】日米が底堅く、中国は神経質か
5/15~19の世界市場は、景気回復期待がある日本と底堅い決算が続く米国が確り、規制への警戒感で中国は神経質か。
日本株式市場は、大台固めの展開か。日経平均は高値圏にあり、引き続き利食いをこなす必要があろう。なお、決算発表のピークは5/12で、5/15にはほぼ一巡する。積極的な株主還元策に注目が集まろう。東証による資本コストや株価を意識した経営の実現に向けた対応の要請や、米著名投資家であるバフェット氏の発言等が株式市場を下支えすると見る。新型コロナの感染症法上の位置づけが、5/8に季節性インフルエンザと同じ「5類」に移行したこともポジティブ材料か。
米国株式市場は、底堅い展開か。5月FOMCで、FRBは声明文から「追加的な引締めが適切」との文言を削除し、様子見姿勢に転じた。利上げ打ち止めとの見方が支配的となる中で、米10年国債利回りは低位安定となり、株式相場にとって追い風となろう。底堅い決算が多く、S&P500の予想EPSは回復傾向。情報技術セクターが特に好調であり、大手IT企業が相場を下支えしよう。
中国株式市場は神経質な展開を見込む。5/16に予定される4月の主要経済統計の発表では各指標で高い伸びが見込まれる。ただ、これは昨年のベースが低いことが主因であることから、指標の伸び率が高くとも株価の上昇は限定的であろう。むしろ、5/19∼21に開催予定のG7首脳会談前に米国が米企業の対中投資規制を発表するとしているため、株価も神経質な動きに終始する可能性がある。
(5/10記 投資情報部)
【日本株投資戦略】本格的な社会・経済活動の回復が景気を押し上げよう
5/15~19の日本株式市場は、大台固めの展開を予想する。
日経平均は高値圏にあり、引き続き利食いをこなす必要がありそうだ。なお、決算発表のピークは5/12で、5/15にはほぼ一巡する。積極的な株主還元策に注目が集まろう。
東証による資本コストや株価を意識した経営の実現に向けた対応の要請や、米著名投資家であるバフェット氏の5/6の「日本での投資は完了していない。これからも日本企業の投資先を探していく」との発言等が株式市場を下支えすると見る。JVCケンウッド(6632)は4/27に、企業価値最大化の観点から「変革と成長」の基本戦略を強化した新中期経営計画を発表。ROE(株主資本利益率)10%以上を目標に掲げ、PBR(株価純資産倍率)1.0倍超の早期実現を目指す方針を示した。このような流れが今後も継続することが期待されよう。
新型コロナの感染症法上の位置づけが、5/8に季節性インフルエンザと同じ「5類」に移行したこともポジティブ材料か。今後、本格的な社会・経済活動の回復による景気押し上げが見込まれそうで、日本株を前向きに評価する流れが強まると考える。
5/17に23年1Q(1~3月期)のGDP速報値が発表される予定。QUICK集計(5/8時点)の実質GDP(前期比年率)の予測中央値は0.8%増となっており、前回22年4Q(10~12月期、同0.1%増)から成長率が拡大する見込み。堅調な個人消費やインバウンド消費の回復が成長を支えると見る。
(5/10記 投資情報部 大塚)