【世界市場の見通し】中国本土株は堅調だが、日米香港株式市場はまちまちか
2/20~24の世界市場は、中国本土株が堅調な展開となる一方、日米香港株式市場はまちまちの展開を想定する。
日本株式市場は、もみ合いの展開を想定。決算発表一巡で業績面からの手掛かり材料が不足気味の印象。一方経済学者の植田和男氏を日銀新総裁に指名する人事が2/14に提出されている。国会での質疑内容を見極める必要はあるが、リフレ派とは一線を画した人物とされており、政策修正期待から銀行株高等が続く可能性もありそうだ。3月期決算企業の3Qの決算がほぼ一巡し、来年度を見越した動きもありそうだ。
米国株式市場は、更なるバリュエーションの拡大が期待しにくいことから上値の重い展開を予想する。米国株の翌4四半期の予想PERが拡大する一方、翌4四半期予想EPSは下落基調にあり、割高感が出ている。米CPIは減速傾向だが市場予想を上回り、下げ渋った印象。利上げ積極派を後押しする内容に。ウォルマートの決算次第では小売り関連に警戒感が出る可能性もありそうだ。
中国株式市場は、本土では市中金利の上昇が景気回復の妨げになる可能性があり、当局が資金供給を拡大。市場金利はいずれ低下するとみられ、本土市場の株価を支えよう。一方、米中の気球問題は長期化の可能性があり、影響を受けやすい香港市場は方向感のない展開を見込む。
(2/16朝記 投資情報部 藤本)
【日本株投資戦略】来期を見据えた銘柄選別が進むと考える
2/20~24の日本株式市場は、もみ合いの展開を想定する。
決算発表一巡で以前に比べ手掛かり材料に欠けることで、様子見気分が強まる場面がありそうだ。日銀の今後の金融政策の行方を見極めるにはまだ時間が必要と思われるが、政策修正を先取りする形で銀行株高が続く可能性も。足もと、日経平均は節目の27,500円前後での推移が続いており、エネルギーをため込んでいる印象。一時的なボラティリティの跳ね上がりに留意が必要か。
3月決算企業の3Q累計(4~12月)の決算発表がほぼ一巡し、今後は来期(24年3月期)を見据えた銘柄選別が進むものと考える。QUICKの集計(東証プライムの3月決算企業、2/14時点)によれば、今期(23年3月期)の会社予想は売上高が前期比14.02%増、営業利益は同0.41%増、純利益は同2.39%減に。期初の会社予想比で営業利益は1.12%の下方修正、純利益は同4.43%の上方修正になる見込み。コスト耐性や価格決定力等の差による明暗が強まったと考える。
さらに一段買い増すだけの力強さには欠けるものの、総じて想定の範囲内と言えそうだ。
注目の日銀人事は2/14に政府から正副総裁の人事案が国会に提示された。黒田総裁の後任には経済学者で元審議委員の植田氏、副総裁には氷見野前金融庁長官、内田日銀理事が起用される見込み。来週以降に実施されると思われる国会での所信聴取と質疑で、現在の金融政策に対する考え方や今後の方向性の一部が明らかになろう。
(2/15記 投資情報部 大塚)