【世界市場の見通し】日米中共にまちまちの展開か
2/13~17の世界市場は、日米中共にまちまちの展開を想定する。
日本株式市場は値固めの展開か。新型コロナの分類見直し等により、経済活動正常化が進むことが予想され、賃上げ期待が相場を下支えしよう。また一部報道では雨宮副総裁に新日銀総裁のポストの打診があったとの報道が出ている。長期では出口戦略が進められると考えるが、目先は好感されよう。2/14の日本の10~12月のGDPは前期比年率で1.8%増の見通しでインバウンドや個人消費が寄与する見込み。
米国株式市場は、材料不足から上値の重い展開を想定。好調な米雇用統計を背景に残り2回の利上げを織り込み始めている。また企業業績も利益予想を上回る比率は若干物足りない印象を受ける。一方、昨年売り込まれた銘柄を買い戻す傾向は依然継続。ショートスクイズも入っているとされており、目先は需給面が相場を下支えしそうだ。ただし買戻し一巡後には注意が必要かと思われる。
中国株式市場は、神経質な展開継続か。中国株の値下がり要因には、①昨年11月以来の大幅上昇の反動、②春節後の金融当局による資金回収、③気球問題を背景とした米中関係の緊迫化などが挙げられよう。②に関しては通常2週間程度の期間のため、2/20の週には資金回収は一巡しよう。③に関してはハンセン指数の反応も限られ、株価への影響は限定的か。3/5開催予定の全人代に市場の関心は徐々にシフトしよう。
(2/8記 投資情報部 藤本)
【日本株投資戦略】日経平均は節目の27,500円突破も割高感はないと見る
2/13~17の日本株式市場は、値固めの展開を想定する。
日経平均は節目の27,500円を突破したが、足もとのバリュエーションに割高感はないと見る。5/8に新型コロナの「2類相当」から「5類」移行で経済活動の正常化が加速すると予想されること、賃上げへの期待が相場を下支えしよう。
一部報道によれば、日銀の黒田総裁の後任人事について、政府が雨宮副総裁に就任を打診したもよう。これまでに名前が挙がっていた候補者の中では、緩和修正に慎重なイメージがあり、株式市場ではこれを好感し上昇する場面があった。政策の正常化に向けた取組は継続すると見るが、早期の修正観測はいったん収まりそうで、短期的には好材料か。
東証は1/30に「市場区分の見直しに関するフォローアップ会議の論点整理」という資料を発表。その中で、経営者に「自社の資本コストや資本収益性を的確に把握し、改善に向けた方針や取組、進捗状況を開示することを促す」とし、特に継続的にPBRが1倍を割る企業には「改善に向けた方針や具体的な取組等の開示を求めるべき」としている。変化を期待させる材料になろう。
2/14に内閣府から22年10~12月期のGDP成長率(速報値)が発表される予定。QUICKが集計した予測中央値(2/7時点)は実質GDP成長率ベースで前期比年率1.8%増の見通しで、前回7~9月期の同0.8%減からプラスに転じる予想。インバウンド需要の回復や堅調な個人消費が寄与する見込み。
(2/8記 投資情報部 大塚)