【世界市場の見通し】中国株に利食い警戒も、日米株式市場は確りか
2/6~10の世界市場は、中国株への利食い売りに警戒も、日米株式市場は比較的確りの展開を見込む。
IMFが2023年の世界経済のGDP成長率を0.2%pt引上げた。中国の成長率見通しの0.8%pt引上げや米国の0.4%pt引上げ等が寄与したと考えられる。中国のゼロコロナ政策からの脱却や米国の内需回復の持ち越し効果等が背景のようだ。ハードランディングは回避可能との見方が強まりそうだ。
日本株式市場は、値固めの展開か。決算発表が佳境を迎えており、内容を踏まえた選別物色となりそうだ。値がさ株が相次いで分割を発表しており、引続き分割期待が高まる場面もありそうだ。またバリュー、グロースともに比較的堅調で、どちらも上昇しやすい環境か。
米国株式市場は、利上げペースの鈍化が確認され、じり高の展開を想定する。FOMC後のFRB議長の発言は市場の楽観論を牽制するものだったが、利上げペースの更なる鈍化が確認されたことから、利上げサイクルが終盤に近いとの見方が相場を下支えしよう。
中国株式市場は、利食い売りが出やすいとみる。春節休暇の旅行者数、旅行収入は大幅に回復。PMIもゼロコロナ政策終了に伴い製造業、非製造業ともに50を上回った。また非製造業のビジネス期待指数は64.9と12年6月以来の高水準となった。景況感は改善しているものの、ブリンケン国務長官の訪中等を控え、米中関係への警戒感から利食い売りが出る可能性も。ただ、中国経済は回復傾向にあり相場は底堅く推移しよう。
(2/2朝記 投資情報部 藤本)
【日本株投資戦略】バリューとグロースのどちらにも上昇の芽
2/6~10の日本株式市場は、値固めの展開を想定する。
決算発表が佳境を迎えており、その内容を踏まえた個別銘柄の選別物色が売買の中心となろう。実績や通期見通し、来期の感触等を評価する流れが継続しよう。
このところ、株式分割を発表する企業が多い印象。主要銘柄では1/26に信越化(4063)、1/27にファナック(6954)が分割を発表した。投資単位の低下で流動性の向上や投資家層の拡大が期待されるところか。他の値がさ株にも分割期待が生じる場面がありそうだ。東証は以前から、個人投資家が投資しやすい環境を整備するために望ましい投資単位として5万円以上50万円未満という水準を明示し、投資単位が100万円以上の企業に投資単位の引下げの検討を促してきたという経緯がある。
足もと、TOPIXバリュー指数が堅調な推移になっている。1/27には終値で2,153.90ptを付け昨年来高値を更新し、2018年1月以来、約5年ぶりの高値圏にある。日銀の政策修正観測がくすぶるなか、バリュー株が多いと思われる銀行株の上昇が指数を押し上げているもよう。その一方で、TOPIXグロース指数は21年9月の高値(3,078.74pt、終値)から15%程度下落した水準にある。もっとも、1年程の調整を経て下げ余地が小さくなっていると思われることや、堅調な米NASDAQ総合指数が支援材料になりそうだ。バリューとグロースのどちらにも上昇の芽が出始めたか。
(2/1記 投資情報部 大塚)