【世界市場の見通し】日米中まちまちの展開か
12/12~16の世界市場は、日米中はまちまちの展開を想定。
日本株式市場は、もみ合いの展開を想定。足もとの円高の進行が輸出企業の業績への懸念に繋がる可能性があり上値を抑制か。一方、中国のゼロコロナ政策の緩和が市場心理を改善させそうだ。加えて、円高はドルベースでの日本株投資のパフォーマンスを改善させる効果があり、11月の第4週には海外投資家が大幅に買い越すに至った。
米国株式市場はFOMC通過後に戻りを試す展開か。雇用統計が好調だったことから、FOMCへの警戒感が出たと思われる。家計調査を見ると就業者数や労働力人口が減少に転じており、労働市場の逼迫は既にピークを打った印象。11月のCPIも年末商戦の割引率が通常より大きかったとされ、物価上昇圧力緩和を意識させるものになろう。FOMCの23年のドットチャートが5%前後に留まれば、概ねターミナルレート引上げは織り込み済みとなり、株価は戻りを試すと考える。
中国株式市場は、軟調な展開を予想する。習近平国家主席は新型コロナの致死率は比較的低いと発言し、各都市でゼロコロナ政策の緩和が進んでいる。それを受け、中国株は堅調に推移していたが、12/7に政府がゼロコロナ政策の緩和策を発表すると、材料出尽くしで値を消した。12/15に発表予定の11月の主要経済指標は新型コロナ感染拡大やゼロコロナ政策を背景に不調が予想され、目先、株価は軟調な地合いを想定する。
(12/8朝記 投資情報部 藤本)
【日本株投資戦略】海外投資家が買い越し基調に
12/12~16の日本株式市場は、もみ合いの展開を想定する。11月の米FOMC(12/13~14)の開催を控えて、週前半は様子見気分が強まりそう。通過後は戻りを試す展開も。
足もと日経平均は上値の重さが意識される状況か。背景には、円高の進行がありそうだ。為替レートの前提を1ドル=140円前後に見直した輸出関連企業もあり、場合によっては今後業績が下方修正される可能性を織り込んだと思われる。
円高は輸出関連企業の業績押し下げ要因になる一方で、外国人投資家のドルベースの日本株のパフォーマンスを改善させることになると見られる。海外投資家は10月下旬から買い越し基調となっており、11月第4週には9826億円の大幅買い越し(現物+先物、売買差引き)に。個人は逆張りに徹しているもようで上昇局面では売り越しているが、その分、下げ局面では押し目買いが期待できよう。
中国ではゼロコロナ政策が緩和される方向にあるようで、投資家心理を改善させる好材料と言えそうだ。
12/13以降にIPOを予定する企業は24社(12/7時点)。比較的規模の大きなIPOも含まれていることから、既存の上場銘柄に換金売りが出ることも予想され、注意したい。
財務省は12/1に22年7~9月期の法人企業統計調査を発表。売上高は前年同期比8.3%増と6四半期連続で増収に。経常利益は前年同期比18.3%増と7四半期連続の増益で、業績は堅調に推移している印象。新型コロナ前の19年7~9月期に比べ経常利益は14%増加に。
(12/7記 投資情報部 大塚)