【世界市場の見通し】日米中共に確りの展開か
12/5~9の世界市場は、中国リスクの後退などを受け、日米中共に比較的確りの展開を想定する。
日本株式市場は、値固めの展開を想定。日経平均は上値が重い場面が目立つがTOPIXは相対的に堅調に推移しており、年初来高値が視野に入ってきた印象。市場全体は比較的確りと思われる。バフェット氏のバークシャーが国内商社株の買入を進めており、資源関連も物色されよう。12/9にメジャーSQが予定。週後半は先物主導での波乱に警戒が必要か。
米国株式市場は確りの展開を予想。中国のゼロコロナ抗議デモの影響でiPhoneの生産に影響が出たとされており、アップル株が軟調に推移している。ただ中国政府はゼロコロナ政策を事実上緩和する方針を示している。またiPhone工場のある鄭州市も規制緩和の方針を示している。12/9には米PPIやミシガン大学消費者信頼感指数が発表予定。物価上昇鈍化の兆しが確認されればFOMC控え期待感が高まり、株式市場で好感されよう。
中国株式市場は、上昇基調を維持するとみる。中国で都市封鎖への抗議活動が広がったが、中国政府は事実上規制を緩和する方針を示した。新規感染者も11/27から2日連続で減少しており、ゼロコロナリスクは一旦後退か。加えて、不動産会社への資金調達規制を緩和する方向に転じており、不動産市況にも前向きな材料か。12月前半の中央経済工作会議ではゼロコロナ政策緩和や各種経済対策が打ち出される可能性があると考える。
(11/30記 投資情報部 藤本)
【日本株投資戦略】TOPIXから見た日本株は悪くない印象
12/5~9の日本株式市場は、値固めの展開を想定する。
日経平均は11/24にザラ場で一時28,502円まで上昇する場面があったものの、その後は海外株式等の影響を受けるなどして、やや売り優勢に。年初以降のレンジの上限に近い水準では、利益確定の売りや戻り待ちの売りが出やすい状況となっており、上値を指向するには材料不足と思われる。目先的には外部環境の好転を待つ必要がありそうだ。
ただその一方で、東証株価指数(TOPIX)は1/5に付けた年初来高値(2,039.27pt)が視野に入ってきたとの見方ができそうだ。株式市場を広範に網羅するTOPIXの指数としての性格がパフォーマンスの差に表れた結果と言えそう。TOPIXの動向にも留意したい。
11/21に著名投資家ウォーレン・バフェット氏率いる米バークシャー・ハザウェイが子会社を通じて、国内大手商社5社の株式を買い増していたことが明らかになった。足もと、原油をはじめとする資源価格は春先に比べ下落基調となっているが、経済活動に必要な資源の安定確保は安全保障上重要な課題と思われ、今後も折にふれて評価される場面があると考える。
12/9(金)は12月限先物と同オプションのメジャーSQが控えている。12/8(木)が最終売買日となるため、週後半は短期筋による先物主導の売買で波乱する場面もありそうで、留意したい。
(11/30記 投資情報部 大塚)