【世界市場の見通し】 日米は底堅いものの中国はボラティリティの高い展開か
11/28~12/2の世界市場は、日米共に底堅いものの、中国はボラティリティの高い展開を見込む。
日本株式市場は、保ち合いの展開を想定。米利上げ幅縮小期待から日本株市場の先行きに対する懸念が後退し、また、日本でも高PER株のプレミアムを再評価する流れが起きているようだ。ただし、決算発表が一巡しやや動意に欠けていることに加え、日経平均28,000円あたりでは、利益確定売り等をこなす必要もありそうだ。
米国株式市場は底堅い展開とみる。S&P指数採用銘柄は概ね業績発表を終了。3Qは前年同期比8.3%増収、3.6%減益見通し(エネルギー除く)だが、インフレ率の鈍化を背景に増益率は4Qを底に持ち直し基調に入る見通し。また、12/2には米11月雇用統計が発表予定。10月雇用統計では失業率の上昇と平均時給の伸び率鈍化が示され、利上げ幅縮小観測の起点となった。11月分も同様の傾向が示されれば株式市場は素直に好感しよう。
中国株式市場は、ボラティリティの高い展開が継続するとみる。ネット規制強化によるネット企業の業績への影響は一巡した模様。また、12月前半にも中央経済工作会議が開催され、来年の景気安定のため消費を中心とした各種刺激策が採用されよう。好材料はあるものの、新型コロナの感染拡大が相場を下押ししている。新規感染者の増加率は鈍化しており、ピークアウトが待たれる。
(11/22記 投資情報部 白岩)
【日本株投資戦略】利益確定売りや戻り待ちの売りをこなす必要がありそう
11/28~12/2の日本株式市場は、保ち合いの展開を想定する。
足もと、日経平均ボラティリティー・インデックス(VI)は20ptを下回って推移(20pt超は投資家の不安心理が高まった状態とされる)。11/22には終値で17.15ptを付け、21年9月以来の水準まで低下した。米国の利上げ減速が意識される中、投資家の株式市場の先行きに対する懸念が後退しているもよう。
企業の決算発表が一巡したこと等もあり、このところの日経平均は28,000円の大台を意識した値動きで、やや動意に欠ける展開が続いている。年初からの価格帯別出来高は27,000円近辺が最も多いものの、21年年初からの期間で見ると28,000円前後の出来高が多く、目先的には利益確定売りや戻り待ちの売りをこなす必要がありそうだ。
足もと東証マザーズ指数は4月以来、約7カ月ぶりの高値水準にある。マザーズ銘柄のような中小型株は為替等の外部環境に左右されにくい内需関連企業が多いと思われることや、値動きの良さが好感されているもよう。加えて、米金利低下を背景に高PER株のプレミアムを再評価する流れが起きているように思われる。
年末にかけ新規上場(IPO)を予定する企業は、東証グロース市場を中心に24社(11/30~12/27、11/22時点)。今後の動向が注目されよう。
(11/22記 投資情報部 大塚)