【世界市場の見通し】日米株式市場は確りも、中国株は不安定な値動きか
11/7~11/11の世界市場は、日米株式市場が比較的確りと推移する中、中国株は不安定な値動きか。
日本株式市場は、上値余地を探る展開か。来週は5日間で1600社超の企業の決算発表が予定され、引き続き個別物色の展開を想定する。発表済みの決算では、円安による収益改善や新型コロナからの経済再開等の好材料がコスト増等の悪材料を上回った印象。中国株の軟調推移も日本等先進国への資金流入を後押ししよう。また政府は総合経済対策を決定。補正予算は一般会計で29.1兆円に上る見通し。GDPを4.6%押し上げるとされ、日本株にとって好材料と言えそうだ。
米国株式市場は今回の利上げサイクルの最終到達水準が引き上げられる懸念が浮上しないかぎり、好調な企業業績を背景に上値余地を試す展開を想定する。S&P500の構成銘柄のうち268社が決算発表を終え、73%の企業が利益予想を上回る決算を発表。中間選挙は共和党勝利の可能性が高いと予想される。エネルギー政策に柔軟性が出て、インフレ抑制につながることが期待でき、株式には好材料と考える。
中国株式市場は、不安定な動きが継続するとみるが、ゼロコロナ脱却への動きが具体化すれば反発の可能性もあろう。次期指導部が習派で固められたことで、外国人投資家を中心に保守的な政策への警戒感が高まっている。消費や新築住宅販売、PMIといった各種指標も芳しくないものが多く、不透明感が根強い。ただゼロコロナ政策からの脱却期待は強く、具体化してくれば株価は反発しよう。
(11/2朝記 投資情報部 藤本)
【日本株投資戦略】外部環境が日本株に追い風になりそう
11/7~11/11の日本株式市場は、上値余地を探る展開か。
本格的な決算発表シーズンであることから、引き続き業績に基づいた個別の動きが強まると予想する。来週は5日間で1600社超の企業が決算を発表する見込み。
これまで発表された決算に関しては、個別で良し悪しはあるものの、総じて堅調との印象か。円安による収益改善や新型コロナからの経済再開等の好材料とコスト増などの悪材料の綱引きは、前者に分があるように思われる。業績予想の上方修正や自社株買いを発表する企業に注目か。なお、11/8には米中間選挙の投開票があることに留意したい。
足もと、米FRBの利上げペースの減速見通しや決算を好感した買い等を背景に、米株式市場が堅調な値動きに。投資家心理やリスク許容度の改善を通じ、日本株に寄与することになりそうだ。その一方で、このところ香港ハンセン指数は軟調推移。中国指導部の経済政策をめぐる不透明感が影響しているもよう。短期間に環境が変化する状況にはなさそうで、資金の一部は日本株に流入する可能性もありそうだ。
政府は10/28、閣議で「物価高克服・経済再生実現のための総合経済対策」を決定。政府の資料によれば今回の対策は、財政支出39兆円、事業規模で約72兆円、これによりGDPを4.6%押し上げ、電気代の2割引下げやガソリン価格の抑制などにより、来年にかけて消費者物価を1.2%以上引き下げる効果があるもよう。日本株に資するものとなろう。
(11/1記 投資情報部 大塚)