【世界市場の見通し】共産党大会受け香港は荒い展開も、日米は戻り試すか
10/31~11/4の世界市場は、香港株式市場は共産党大会を受け荒い展開も、日米株式市場は戻りを試すか。
日本株式市場は、確りの展開を想定。本格的な決算発表シーズンに入ることで基本的には個別物色の動きが強まると予想。10/31には約300社が決算発表を予定。業績予想の上方修正や自社株買いを発表する企業を評価したい。円安進行もありドル建て日経平均は大幅安となっている。今回を除き明確に180ドルを割り込んだことは18年以降2回しかなく、海外投資家にとっては値頃感も出て来そうだ。
米国株式市場はビッグテックの決算は不安が残るが、S&P500で見れば決算は概ね順調で戻りを試すか。11/1~2にFOMCが予定され、75bpの利上げを予想。概ね織り済みと考える。またFOMC後の会見で12月の利上げ幅に示唆があったとしても最終到達水準がある程度見えてきたことを踏まえると影響は限定的と見る。企業決算はビッグテックの決算に不安が残る。またテキサスインスツルメンツの決算も半導体市況の悪化を示唆。経済に不安残るか。11/8には中間選挙が予定され、民主党の敗北の可能性が高まっている。
中国株式市場は、本土市場は安定、香港株は荒い展開も。中国の新最高指導部が発表され事前の予想通り習近平総書記の3期続投が発表された。一方、政治局常務委員の面子が習近平派で固められたことで、権力集中への警戒感から外国人投資家が中国株を売り急いだと思われる。一方、7~9月のGDPは前年同期比3.9%増となり予想を上回った。不動産等も最悪期を脱したと考える。
(10/26記 投資情報部 藤本)
【日本株投資戦略】ドル建ての日経平均は売られ過ぎとの見方もできよう
10/31~11/4の日本株式市場は、確りの展開を想定する。
本格的な決算発表シーズンに入ることで基本的には業績に基づいた個別の動きが強まると予想、10/31には約300社が決算を発表する見込み。業績予想の上方修正や自社株買いを発表する企業を評価したい。
11/1~2には米FOMCが開催される予定だが、11/3が文化の日で祝日のため、内容の織り込みが11/4となるやや微妙なスケジュールに。加えて、重要イベントである11/8の米中間選挙を強く意識し始めるタイミングか。
ドル/円は10/21に一時151円90銭台まで下落し、32年ぶりの安値を付ける場面があった。日米の金融政策の方向性の違い等を意識した円売り・ドル買いが膨らんでいるもよう。このような環境下、ドル建て日経平均は足もと180ドル近辺での推移となっており、昨年末比で25.97%下落(10/26時点)し、円建ての4.72%下落(同)に比べ大幅安になっている。海外投資家の値頃感からの買いも期待される局面か。
円安傾向に大きな変化は見られないものの、過度な変動に対しては介入も予想される中、ドル建ての日経平均は売られ過ぎとの見方もできよう。2018年以降、今回を除き180ドルを割り込んだことは18年12月と20年3~4月の2回しかなく、長期保有の海外投資家にとっては良いエントリーポイントとの判断も出来そう。海外投資家の売買動向に注目したい。
(10/26記 投資情報部 大塚)