【世界市場の見通し】日米は好決算銘柄を物色か。中国は共産党大会通過を好感も
10/24~10/28の世界市場は、日米株式市場は好決算銘柄を物色か。一方、中国株は共産党大会通過を好感すると見る。
日本株式市場は、個別物色の展開を想定。水際対策の大幅緩和や政府観光促進策の関連銘柄が物色されやすい状況と考える。ただし一部銘柄の株価水準はコロナ前を回復しており、注意は必要か。また中国の共産党大会の通過後のゼロコロナ政策の動向にも注目。中国からの入国者数は2019年の入国者の3割を占めており、水際対策緩和の経済効果を左右しよう。決算発表も本格化する見込みで、コスト高や円安、経済再開等の通期業績見通しへの影響が注目されよう。
米国株式市場はネットフリックスの決算や銀行の決算が比較的良好で、決算が無難なスタートを切ったことから戻りを試す展開か。10/24~10/28の週はビッグテックの決算発表が予定。アップルのiPhone14の需要動向や年末商戦の時期にあたるアマゾン・ドットコムの4Qの売上見通し等が注目されよう。投機筋はS&P500 e-miniのネットショートを縮小する傾向にあり、ビッグテックの決算が波乱なく通過すれば買い戻しが優勢の地合いが継続すると考える。
中国株式市場は、政治的不透明感の後退で確りの展開を見込む。ただし、GDP統計が下振れすれば株価が下押しする場面もあろう。10/16に共産党大会が開幕。習近平総書記の報告では、貧富の差の縮小や中間層拡大をもたらす「共同富裕」に力点が置かれた。また経済重視の姿勢も示された。ただ発表延期となったGDPの結果次第では一時的に売り圧力が強まる可能性もありそうだ。
(10/19記 投資情報部 藤本)
【日本株投資戦略】いつも以上に業績見通しに目を凝らす必要があろう
10/24~10/28の日本株式市場は、個別物色の展開を想定。
世界経済の先行きに対する不透明感は強いものの、足もとの日本株は新型コロナからの経済再開の動きを評価し、欧米株式に比べ相対的に確りで頑張っているとの印象。水際対策が大幅に緩和され、全国を対象とした政府の観光促進策「全国旅行支援」が始まったことなどもあり、関連銘柄が物色されやすい状況にあるようだ。今後も大きなテーマとして注目されることになろう。
もっとも、一部の銘柄に関しては新型コロナ前(2019年末)の株価水準を既に回復しており、買い上がるには業績動向を確認する必要があろう。また、中国のゼロコロナ政策に変化の兆しが出てくるかにも、留意したい。ちなみに2019年の中国からの訪日客は959万人で、全体の1位で30%を占めた。
本格的な決算発表シーズンに突入することで、基本的には個別物色の動きが中心になりそうだ。3月決算企業を中心に決算発表が11月半ばまで続くことになるが、個別企業の決算内容等を吟味することになろう。今回は新型コロナからの経済再開やコスト高等が通期業績見通しにどのような影響を与えるのかに関し、いつも以上に目を凝らす必要がありそうだ。なお、決算発表の前半のヤマ場は10/31(月)の301社(10/19時点、全決算期)。そして、後半戦のヤマ場は11/11(金)で629社(同)となっている。
(10/19記 投資情報部 大塚)