【世界市場の見通し】米中は不安定な値動きが想定されるも日本株は底堅いか
9/12~9/16の世界市場は、米中が共に不安定な値動きを想定するが、日本株はその影響を受けるも押し目は買いとみる。
日本株式市場は、米中の経済指標に振られる展開を想定も、押し目は買いと考える。米国では8月のCPIや小売売上高等の発表を予定。中国も8月の小売売上高等の発表が控えている。米国はFRB議長のタカ派発言、中国は景気減速懸念と米中共に市場心理が悪化しており、神経質な展開も想定される。ただ日本株はバリュエーションの安さや自社株買いと思われる事業法人の買いが見られ、下値を支えそうだ。
米国株式市場は不安定な値動きか。S&P500 e-miniへのショートカバーが相場を支えるも、ジャクソンホール後の市場心理悪化が相場の重石に。8月のCPIの発表が予定され、インフレのピークアウトを示唆すると思われるが、株価の本格反転には金融政策への懸念を解消する必要がありそうだ。9月のFOMCのドットチャートが、6月のドットチャートやFFレート先物の織り込む水準との乖離が小さければ、金融政策への懸念が和らぎ反転のきっかけになりそうだ。
中国株式市場は神経質な展開か。10月に党大会を控えコロナ対策が強化されるリスクがあることや大規模な停電が発生した8月の経済指標への警戒感が相場の上値を抑えそうだ。ただ8/1~8/28の乗用車販売台数が前年同期比19%増、EVに関しては前年同月の約2倍まで拡大。不動産会社主要100社の8月の新築住宅販売額も同33%減に留まった。9/16の経済指標は下振れリスクがあり警戒感は残るが、足元では底入れの兆しも見え始めたと考える。
(9/7記 投資情報部 藤本)
【日本株投資戦略】米中の経済指標に振られる展開を想定も、押し目は買いか
9/12~9/16の日本株式市場は、米中の経済指標に振られる展開を想定も、押し目は買いと考える。
米国では9/13に8月のCPI(消費者物価指数)、9/14に同PPI(生産者物価指数)、9/15に同小売売上高等の発表が予定されている。ジャクソンホール会議(8/26)でパウエル米FRB議長が金融引締めに積極的な発言をしていることもあり、発表内容によって荒い値動きになることも考えられよう。
さらに中国でも9/16に8月の小売売上高等主要経済指標の発表を控えている。中国経済の減速も市場では懸念されており、こちらも注目したい。
足元で円安が進み、9/7にドル/円が一時144円台へと下落、24年振りに安値を更新。急速な円安進行によるコスト増を懸念する売りが出る等、警戒感を強めていると思われる。
一方、投資部門別売買状況(東証集計)では、自社株買いが中心とみられる事業法人の買い越しが21週連続で続いており、相場の下支えとなっているようだ。
日経平均予想PER(QUICK予想)も9/6には12.59倍まで低下し、割安感も意識される水準と思われる。2022年5月以降は同PERが12.5倍前後まで下落すると、日経平均株価が反発する動きがみられることから、押し目は買いといえよう。
9月の中間配当や株主優待を目的に、個人投資家を中心とした銘柄物色がありそうだ。また、任天堂(7974)や東京海上(8766)、郵船(9101)等の株式分割が控えている。権利取りを意識した買いも注目されそうだ。
(9/7記 投資情報部 佐藤)