【世界市場の見通し】米中が共に弱含むも、日本株が底堅い展開を想定
9/5~9/9の世界市場は、米中が共に弱含むも、日本株は底堅い展開を想定する。
日本株式市場は底堅い展開を予想する。軟調な米国株の影響を受けると予想するが、国内の景況感やインフレは欧米ほど悪くなく、経済再開等への期待が相場を下支えか。日経平均の予想PER(QUICK予想)は8/29に13倍台を割り込む水準に低下しており、バリュエーション面からは割安感も意識されるとみる。ただ9/9にメジャーSQが予定され、先物・オプションのポジション動向や仕掛けには注意が必要か。
米国株式市場は不安定な値動きか。S&P500 e-miniのネットポジションがショートに傾いており、買い戻し需要が相場を下支えするも、ジャクソンホール会議で家計やビジネスへの「痛み」を伴う金融引締めの方針が示されたことで、バリュエーションの維持は難しいと予想。株価下落を好ましくみている連銀総裁もおり、9/8のパウエル議長の講演でも株安をフォローしてくる可能性は低そうだ。9/7にアップルのイベントが予定され、新作のiPhone 14の発表が予想される。観測報道ではマイナーチェンジにとどまるとされ、無風通過か。
中国株式市場は軟調な展開を想定。8/26に米中が米国上場の中国企業への監査に関して合意したことや四川省の電力問題が収束しつつあることが相場を下支えか。ただ、景気の弱さや秋の党大会を控え、部分ロックダウンが行われていることから、市場では警戒感があると思われる。ドル高を受け市中金利が上昇していることも上値抑制材料と言えそうだ。
(8/31記 投資情報部 藤本)
【日本株投資戦略】経済再開等への期待が日本株を下支えしよう
9/5~9/9の日本株式市場は、底堅い展開を想定する。
パウエル米FRB議長のジャクソンホール会議(8/26)での金融引き締めに積極的な発言を嫌気して米株式市場が急落。それを引継ぐ形で日経平均も8/29に762円安するなど、荒い値動きに。日経平均ボラティリティー・インデックス(VI)は心理的な節目とされる20ptを8/29に超えた。
目先、日本株は米国株の影響を受けることになると予想するが、国内の景況感やインフレは欧米ほど悪くないと思われ、経済再開等への期待が日本株を下支えすることになろう。
日経平均は8/17に直近高値である29,222円(終値)を付けた後、8/29に27,878円(同)まで急落。日経平均の予想PER(QUICK予想)は13倍台を割り込む水準に。バリュエーション面からは割安感も意識される水準か。また、時期的には9月の中間配当も視野に入るタイミングと言えそうで、好業績・好配当銘柄がテーマのひとつになりそうだ。
9/9にはオプション・先物のSQ(いわゆるメジャーSQ)が控えており、週後半は先物主導で仕掛け的な売買が入る可能性もありそうで、留意したい。
9/13~9/30の間に新規上場を予定している企業は東証グロースを中心に9社(10pのIPOスケジュール参照、8/31時点)。東証マザーズ指数の6月安値からのパフォーマンスは日経平均やTOPIXをアウトパフォームしており、個人投資家を中心にIPOに対する注目度は高まっていると見る。
(8/31記 投資情報部 大塚)