【世界市場の見通し】日米中共にまちまちの展開か
8/29~9/2の世界市場は、日米中共にまちまちの展開か。
日本株式市場は値固めの展開を想定。ジャクソンホール会議の内容次第では波乱も予想されるが、ソフトバンクG(9984)を除けば、上場企業の4~6月期の純利益は前年同期比で約1割程度の増益となったとのこと。中国の都市封鎖やウクライナ問題、インフレ等があり強弱入り混じった決算となったものの、総じて良い内容と言えそうで相場を下支えか。
米国株式市場はジャクソンホール会議前に株価の調整が進んだ場合、戻りを試す展開を想定する。FFレート先物は9月のFOMCでの75bpの利上げを約5割程度(8/24データ取得時点)織り込んだ状況となっている。タカ派な内容をある程度織り込んでいると思われ、FOMC議事録の内容を踏襲する形になれば、S&P500のe-miniのネットポジションがショートに傾いていることから出尽くしになり、買戻しが入る可能性が高いと考える。
中国株式市場は方向感のない展開が継続すると見込む。今年3回目の5年物最優遇貸出金利引き下げや不動産会社向けの特別融資の提供などを通じて、政府は不動産市場を下支えするようだ。四川省、重慶市、浙江省、安徽省等で計画停電が行われ、工場の操業が制限されている。8/31発表予定の8月の製造業PMIにも電力問題の影響が出て、7月に続き弱い数値に留まると見込まれる。予想値を下回るようであれば、株式市場は下振れの可能性も。
(8/24記 投資情報部 藤本)
【日本株投資戦略】場合によっては波乱想定も、押し目は買いと見る
8/29~9/2の日本株式市場は、値固めの展開を想定する。
週初はジャクソンホール会議でのパウエル米FRB議長の講演(8/26)や米株式市場の反応を織り込むことになりそうだ。今後の米金融政策の方向性、すなわち、これまで市場が予想してきた利上げペース鈍化観測が正当化されるのかに投資家の注目が集まっていると思われ、講演内容が目先の相場動向を左右することになりそうだ。場合によっては波乱する可能性もありそうで、留意したい。
もっとも、以下の理由から押し目場面は買いと考える。日経新聞の集計によれば、上場企業の4~6月期の純利益は前年同期比26%減になったとのこと。ただ、ソフトバンクG(9984)1社で約3.9兆円の減益要因となったということで、これを除けば1割程度の増益になったもよう。中国の都市封鎖やウクライナ問題、インフレ等があり強弱入り混じった決算となったものの、総じて良い内容と言えそう。
QUICKが集計した東証・大証の投資部門別売買状況(現物先物合計売買差引き、週次)によると海外投資家は、8月第1週と第2週に合計約7300億円買い越した。中間決算に向けた期待を背景にしたものか。
来週は月末・月初にあたり、重要経済指標が発表予定に。8/30は7月完全失業率、8/31には7月鉱工業生産指数(速報値)、9/1は4~6月期法人企業統計等が発表される。
(8/24記 投資情報部 大塚)