【世界市場の見通し】日米中共に方向感を探る展開か
8/22~8/26の世界市場は、日米中共に方向感を探る展開か。
日本株式市場は高値圏でのもみ合いの展開を想定。ジャクソンホール会議を控え様子見姿勢が強まろう。米国株の堅調さなどを背景に日本株は上昇してきたが、国内に関しては決算が一巡し、手掛かり材料が不足気味か。価格帯別売買高でも28,500~29,000円の価格帯は売買が多く、戻り待ちの売りをこなす必要がありそうだ。
米国株式市場はバリュエーションの上昇や週末にジャクソンホール会議を控えていることから、週後半にかけて上値の重い展開を想定するも、需給環境が相場を下支えか。利上げが予想される中、バリュエーションの更なる拡大は期待しにくいと考えられ、上値は抑制されよう。ジャクソンホールの内容への予想も見解が割れると考えられ、週末にかけて様子見ムードが強まりそうだ。ただし投機筋が今回の戻り相場で売り上がっており、買戻し需要も強いと考える。
中国株式市場は好悪材料の狭間で方向感のない展開を見込む。8/15発表の7月主要経済指標は、新型コロナの感染拡大等を背景に概ね市場予想(Bloomberg)を下回り、景気の弱さを示した。景気減速懸念から、李克強首相は地方政府に景気刺激策を要請。1.5兆元の特別債の起債も見込まれる。一方、四川省の計画停電等を背景に工場の生産が停止し石炭等の価格が強含み、市場金利も上昇へ転じつつある。
(8/18朝記 投資情報部 藤本)
【日本株投資戦略】戻り待ちや利益確定の売りをこなす必要がありそう
8/22~8/26の日本株式市場は、高値圏でのもみ合いの展開を想定する。
来週は重要イベントである米ワイオミング州ジャクソンホールで開催されるカンザスシティ地区連銀主催の金融シンポジウム(8/25~8/27)を控え、週末にかけては様子見気分が強まる場面がありそうだ。
日経平均は8/17に大幅高して29,000円の大台を回復し、1/5以来約7カ月半ぶりの高値を付けた。米国でのインフレのピークアウト観測で、米FRBが利上げペースを緩めるとの見立てが相場を押し上げていると思われる。
もっとも、国内では主要企業の4~6月期の決算発表がほぼ一巡し手掛かり材料に欠けることや、2021年年初からの日経平均の価格帯別売買高を見ると、28,500~29,000円の価格帯での売買が多く、戻り待ちや利益確定の売りをこなす必要がありそうで、これまでのようなピッチで上昇することは難しいと考える。
このところのグロース株優位の展開を表すように、NT倍率(日経平均÷TOPIX)は14倍台半ばまで上昇。21年11月下旬以来の高値となっている。
8/15に発表された22年4~6月期実質GDP速報値は前期比年率換算で2.2%増となり、3四半期連続のプラス成長に。新型コロナ関連の活動制限がほぼなくなり、個人消費が持ち直したことが寄与した。
(8/17記 投資情報部 大塚)