【世界市場の見通し】米中が個別物色の展開の中で日本は堅調か
8/15~8/19の世界市場は、米中が軟調な地合いの中で個別物色が進むとみられる一方、日本株は堅調な展開を見込む。
日本株式市場は堅調な展開になろう。8/15に4~6月期決算発表がほぼ一巡し、2023年3月期の会社側の業績予想は期初予想から上方修正されている。今後は業績に基づいた銘柄選択が行われよう。原油価格の下落傾向も好材料に。
米国株式市場は、個別物色を想定。足元では弱い経済指標を背景とした10年債利回り低下と堅調な決算内容が支えとなり、株価が反発。ただ、労働市場が堅調さを保つ中、8/17発表予定のFOMC議事録では、FRBが強気の利上げを継続する姿勢が示される可能性も。米半導体支援法案や気候対策法案等の政策関連銘柄は引き続き注目を集めよう。
中国株式市場は、個別物色の展開を想定。8/15に発表予定の7月主要経済指標は景気持ち直しの鈍さを示すとみられ、株価を下押ししそう。また、ペロシ米下院議長の訪台に反発した中国の台湾周辺での軍の演習は未だ継続しており、香港市場のセンチメントに影響しよう。そのような中、業績発表がピークを迎えつつあり個別物色が強まりそうだ。
(8/9 記 投資情報部 白岩)
【日本株投資戦略】総じて堅調な業績が株価を下支えしよう
8/15~8/19の日本株式市場は、確りの展開を想定。
8/15で4~6月期の決算発表がほぼ一巡する。QUICKの集計(8/8時点)によれば東証プライム上場企業(金融を除く)の2023年3月期の会社予想の売上高は前期比10.28%増に、そして期初予想からは0.79%の上方修正になっている。同様に営業利益は前期比4.56%増、期初予想から0.23%の上方修正に。新型コロナやウクライナ問題、上海の都市封鎖、コスト増などネガティブ要因が多い中で、総じて堅調な内容と言えそうだ。日経平均が一時28,000円を回復した原動力になったと考える。加えて米原油の下落傾向も好材料か。
今後はアナリストレポート等を参考に、業績に基づいた銘柄の選別が行われることになろう。基本的には今後も好業績が期待できる銘柄が投資対象になろうが、バリュエーション面で過剰に評価されている場合もありそうで、注意が必要になりそうだ。その一方で予想を下回る決算内容となり、売り込まれた銘柄の中には「売られ過ぎ」の銘柄がありそうで、選別の難易度は高そうだが投資チャンスと捉えたい。
各種報道によれば、岸田首相が8/10に内閣改造を行うもよう。投資家に評価されるような政策が出てくるかに注目。
8/15に4~6月期のGDPが発表される予定。QUICK集計(8/8時点)の実質GDP(前期比年率)の予測中央値は+2.5%となっており、前回(1~3月期、同-0.5%)からプラスに転じる見込み。個人消費が成長を牽引したとみる。
(8/9記 投資情報部 大塚)