【世界市場の見通し】日米中ともに方向感を探る展開か
8/8~8/12の世界市場は、日米中ともに方向感を探る展開か。
日本株式市場はもみ合いの展開を想定。グロース株が堅調推移となっているが、コロナバブルのバリュエーションに回帰するとは考えにくく、ここからのグロース株への投資は選別がより重要になると考える。またここ10年間、8月相場は軟調になる経験則があるが、9月以降比較的パフォーマンスの良い月が並んでおり、押し目買いのタイミングと思われる。
米国株式市場は、上値抑制材料はあるが、CPIが大きく上振れない限り、底堅い展開を想定。ただ米10年国債利回りの低下余地は限定的と思われ、金利低下からのハイテク株上昇の流れも一服か。7月のミシガン大学消費者信頼感指数の期待インフレ率上昇の鈍化や7月のISM製造業景況指数の支払価格の低下から、7月のCPIは上昇率鈍化が期待される。Refinitivの集計によれば企業業績は市場予想を上回る内容を発表する企業が多く、相場を下支えか。
中国株式市場は、不安定な値動き継続か。7月PMIは製造業・非製造業ともに低下。新型コロナ感染が一部で残ることや悪天候、国内外の新規受注悪化が響いたもよう。8/2のペロシ米下院議長の訪台による米中の緊張の高まりも相場の悪材料か。相場が神経質になる中、発表される経済指標が予想を下回ると、大きく相場が反応する可能性がある。しかし、米中の外交努力も想定され、早晩落ち着きを取り戻そう。
(8/3 記 投資情報部 藤本)
【日本株投資戦略】8月相場はその後に向けた仕込み場と考える
8/8~8/12の日本株式市場は、もみ合いの展開を想定。
決算発表が終盤、そして発表社数のピークを迎えようとする中で、内容を見極めたいとの姿勢が強まりそうだ。足もと、グロース株が堅調推移となっているが、コロナバブルのバリュエーションに回帰するとは考えにくく、ここからのグロース株への投資は選別がより重要になると考える。
お盆休みを間近に控え、夏季休暇をとる市場参加者も多くなりそうで、一時的に流動性が低下する場面も予想される。予期せぬイベント発生等による急なボラティリティの跳ね上がりに注意したい。
日経平均の月ごとの騰落率平均(2012~2021年)を見ると、8月のパフォーマンスが低調な結果となった。サマーラリーと言うよりは夏枯れに近い状況か。もっとも、その後(9~12月)の値動きは好調と言えそうで、11月や年末に向けた仕込み場と前向きに捉えたい。押し目は買いと考える。
注目の4~6月期決算だが、これまでの発表を見る限りでは個別要因が大きく、銘柄によって強弱まちまちな印象に。ただ、日経平均の予想EPS(1株当たり利益)は増加傾向にあり、トータルで見れば確りと言えよう。足もと日経平均は28,000円近辺まで値を戻してきたが、予想PER(QUICK予想)は13倍を下回る水準。バリュエーションの拡大や割高感はなく、予想EPSに沿った動きと評価できよう。
(8/3記 投資情報部 大塚)