【世界市場の見通し】日米は神経質な展開を予想も、中国株は堅調推移か
6/20~6/24の世界市場は、日米は神経質な展開を予想も、中国株は堅調推移と予想する。
日本株式市場は神経質な展開を想定するものの、米FOMC(6/14~15)と日銀の金融政策決定会合(6/16~17)といった重要イベント通過でアク抜け感が広がると考える。また日経平均の予想PER(QUICK予想)は、レンジの下限として意識されやすい13倍台割れ水準にある。押し目買いのタイミングとして意識されそうだ。
米国株式市場は、神経質な展開を想定。FRBが75bpの利上げを決定し、7月も75bpの利上げの可能性を示唆。FFレートの年末の水準は3.375%(レンジ上限で3.5%)となり、市場予想よりは緩やかな利上げが示唆された。ただ急速な利上げが景気を冷ますリスクが高まったと考える。
中国株式市場はボラティリティが上昇する局面があるとみられるものの、基本的には底堅い展開を見込む。上海・北京は都市封鎖解除直後であるにも関わらず、新規感染者増を受け、今度も都市封鎖の拡大懸念が広まった。ただ、6/15発表の5月の経済指標は、小売売上高、鉱工業生産とも市場予想を上回っている。特に鉱工業生産は前年比0.7%増で、市場予想の0.9%減を大きく上回っており、経済が回復に向かうとの期待が広まりそうだ。
(6/16朝記 投資情報部 藤本)
【日本株投資戦略】イベント通過でいったんアク抜けするとみる
6/20~6/24の日本株式市場は、神経質な展開を想定する。
6/10に発表された5月の米CPIの上昇率が市場予想を上回ったことで、米FRBによる利上げ加速への警戒感が強まり、米株式市場は大幅安に。日経平均もつれ安する場面があった。もっとも、短期間に値幅を伴い調整したことで、株式市場での織り込みはそれなりに進んだとの印象も。米FOMC(6/14~15)や日銀の金融政策決定会合(6/16~17)通過後は、いったんアク抜け感が広がると考える。
日経平均の予想PER(QUICK予想)は、足もとレンジの下限として意識されやすい13倍台割れ水準にあり、突っ込み場面は買いで臨みたい。
目先波乱含みの相場が予想されるが、需給面からは逆張りを好むとされる個人の押し目買いに期待したい。QUICK集計の投資部門別売買状況(現物+先物合計差引き)によれば、個人は5月下旬からの上昇相場で合計6002億円売り越し(5月第3週~6月第1週)ており、買い余力は大きいとみられる。また、事業法人は4月第1週以降、買い越しを継続している。国内勢を中心に押し目買い意欲は強いとみる。
日銀の金融政策決定会合が重要イベントになりそうな気配に。6/10に財務省・金融庁・日銀は「三者会合」を開催し、「最近の為替市場では急速な円安進行が見られ憂慮している。各国通貨当局と緊密な意思疎通を図りつつ、必要な場合には適切な対応を取る」と表明した。何らかの行動を起こす可能性もあろう。
(6/15記 投資情報部 大塚)