【世界市場の見通し】日本株が確りか。米株、中国株は徐々に最悪期を脱するか
5/30~6/3の世界市場は、日本株が戻りを試すと予想。一方、米国株、中国株は底堅い展開か。
日本株式市場は、戻りを試す展開を想定。外部環境に不透明感は残るものの、日本株はコロナ関連の規制緩和の兆しや緩和的な金融政策維持を背景に確りか。また製造業中心に自社株を割安とみる企業が多いとの調査もある。ガイダンス達成に自信があるものと考えられる。またこの結果が示すように企業の自社株買いを反映すると思われる事業法人の5月第2週の買い越し額(現物+先物合計、売買差引、週次、QUICK集計)は今年最大の1380億円となった。
米国株式市場は、SaaS系ハイテク株の決算を警戒も底堅い展開か。決算発表後急落する事例も散見されハイテク株の決算には警戒感が先行か。ただ好調であれば素直に好感か。JPモルガンチェースが純金利収入(市場除く)に強気の見通しを示しており、銀行株に支援材料か。またバイデン大統領が言及した対中関税の見直しの様な供給サイドの改革はインフレ対策として利上げより効果的な可能性もある。
中国株式市場は、本土市場が上値の重い展開、香港市場は持ち直しの機会を模索する展開が続こう。新疆ウイグル問題やIPEF等、対米摩擦要因はあるものの、米国は対中関税引下げを模索しており中国にもプラスと思われる。5/31には5月購買担当者景気指数(PMI)が発表予定。自動車の販売動向から更なる悪化の可能性は低いと見る。最悪期からの脱出が期待される。
(5/25記 投資情報部 藤本)
【日本株投資戦略】自社株買いの増加は明るい兆しとみる
5/30~6/3の日本株式市場は、戻りを試す展開を想定。
足もと、米景気の減速懸念、そしてウクライナ問題の長期化等を背景に外部環境は依然として不透明な状況だが、その一方で日本株は経済再開の期待や緩和的な金融政策が維持されていること等を支えに、相対的に確りの展開が見込まれよう。
そしてこの時期、企業の自社株買いが相場を下支えするであろうことに注目したい。企業の自社株買いを反映すると思われる事業法人の5月第2週の買い越し額(現物+先物合計、売買差引、週次、QUICK集計)は今年最大の1380億円となった。一部報道によれば、今年4月・5月の自社株買い枠は昨年の同時期に比べほぼ倍増しているとのこと。
また、QUICK調査の自社株判断DI(製造業)は5月に73%ptまで上昇した。これは「自社の株は安い」と思っている製造業企業の比率が高いことを表していて、20年3月・4月の71%ptを上回った。ちなみに、日経平均は20年3月に一時17,000円を割り込む場面があった。諸般の事情に鑑み控えめな業績予想を出してはいるが、それなりに業績達成には自信があり、現在の株価水準には満足できない、と言うことか。
一時お休みしていたIPOが5/31から再開し、6月は新規上場が増える見込み。東証グロース市場を中心に12社が新規上場(5/25時点)する予定。
(5/25記 投資情報部 大塚)