【世界市場の見通し】日米は値固め、中国は持ち直し基調を維持する展開か
5/23~5/27の世界市場は、日米は値固め、中国は持ち直し基調を維持する展開を想定する。
日本株式市場は、下値固めの展開を想定する。日経の集計(東証プライム、5/13時点)によれば、前期(22年3月期)の純利益は前の期に比べ36%増となり、4年ぶりに最高益を更新。見通しは純利益が若干マイナスだがウクライナ侵攻や新型コロナ、インフレなどを考慮すれば保守的な見通しと考えられ、総じて悪くない印象。5/12に大幅赤字の決算を発表したソフトバンクGは翌日の5/13に大幅上昇。軟調だったグロース株の相場の地合いが変わる可能性があると考える。
米国株式市場は、景気後退懸念はあるものの押し目買いのタイミングを探る場面か。ハイテク株の決算が予定。好調であれば素直に好感か。小売売上高は比較的好調も小売企業の決算が不調で経済に不安が残る。5/25発表予定のFOMC議事録では50bpの利上げへの支持度合いに注目。75bpの利上げの可能性が低いとの認識が広がれば安心感が広まりそうだ。
中国株式市場は持ち直しの基調を維持しよう。小売売上高(前年同月比)や鉱工業生産(同)は市場予想よりも下押しし、ゼロコロナ政策の中国経済への悪影響が示された。ただ上海副市長が6月中に生活と生産の正常化を目指す旨を示しており、経済活動の再開への期待感が相場を下支えしそうだ。アリババや百度の決算も予定され、予想を上回る決算には素直に反応すると考える。
(5/19朝記 投資情報部 藤本)
【日本株投資戦略】決算発表ほぼ終了で目先の不透明感が後退とみる
5/23~5/27の日本株式市場は、下値固めの展開を想定する。3月期決算の発表がほぼ終了したことで目先の不透明感が後退、今後はアナリストの評価などを交え、好業績が予想される銘柄等を中心に買いが入る流れとなろう。
日経の集計(東証プライム、5/13時点)によれば、前期(22年3月期)の純利益は前の期に比べ36%増となり、4年ぶりに最高益を更新したもよう。資源高や供給網の混乱といった厳しい収益環境にあったと思われるが、全体としては堅調であったといえよう。また、QUICKの集計(全上場企業、5/17時点)によれば、今期(23年3月期)の会社予想の売上高は前期比8.36%増、営業利益は同5.19%増、純利益は3.75%減となる見込み。純利益は若干のマイナス予想になっているが、新型コロナに加えてロシアによるウクライナ侵攻の影響やインフレ等を考慮した保守的な見通しであると考えられ、総じて悪くない印象か。
これまでバリュー株に対し、軟調であったグロース株の動きに留意したい。ソフトバンクG(9984)が5/12に発表した22年3月期の最終損益は1兆7080億円の大幅な赤字だったが、翌5/13に株価は前日比12.2%上昇。地合いの好転を感じさせるものと言えよう。
日銀が5/16に発表した4月の国内企業物価指数(速報値、2015年平均=100)は113.5となり、前年同月比で10.0%上昇した。1980年12月(10.4%)以来約41年ぶりに2ケタの伸びに。価格に転嫁できる企業とできない企業のパフォーマンスに差が出そうだ。
(5/18記 投資情報部 大塚)