【世界市場の見通し】中国本土株と米株が軟調な反面、香港株、日本株が底堅いか
4/4~4/8の世界市場は、中国本土株と米株が軟調な反面、香港株、日本株が底堅いか。
日本株市場は戻り待ちの売りをこなしながら値固めの展開か。ウクライナ情勢に対する警戒感が緩和し、慎重姿勢が和らいでいるもよう。日経平均は急速に反発しており、予想PERなどの一部指標の割安感は薄れて来た印象。相場全体を底上げする展開から、来期の業績予想を意識しながらの個別物色の展開か。また岸田首相は3/29に閣議で総合緊急対策取りまとめを指示しており、経済対策に期待したい。
米国株市場はタカ派と予想されるFOMC議事録内容を受け一旦調整すると考える。22年1Qの業績予想は低めの見通しで、決算前に期待感は高まりにくい状況か。また4/6のFOMC議事録は利上げペースや量的引締めに関してタカ派な見解が示される可能性が高いと考える。特に50bpの利上げに対する見解や量的引締めの時期に関して踏み込んだ議論がなされたと予想され警戒したい。また3月末をまたぎリバランスに伴う買いもある程度一巡したものと考える。
中国株市場は、本土市場は軟調、香港市場は底堅く推移すると予想。3月PMIは新型コロナ感染拡大を背景に製造業、非製造業ともに低下し、景気に下押し圧力が強まっていることを示した。中国は新型コロナ感染拡大やウクライナ情勢の不透明感から株価に下押し圧力がかかっている。ただ4月頃には新型コロナ感染拡大のピークアウトが期待されており、相場を下支えか。
(3/31朝記 投資調査部 藤本)
【日本株投資戦略】来期業績予想を意識しながら個別選別物色にシフトしよう
4/4~4/8の日本株式市場は、戻り待ちの売りをこなしながら値固めの展開を想定する。
2/24にロシアがウクライナに侵攻して約1カ月が経過した。ウクライナ情勢は依然として不透明ではあるものの、膠着状態とも見ることが出来そうで、投資家の慎重姿勢がいったん和らいでいるもよう。日経平均は3/14~3/25まで9営業日続伸し、ウクライナ侵攻前の水準を一気に回復した。
もっとも、値幅を伴った指数の急反発によって過熱感もありそうで、日柄による調整も必要か。予想PERなどの投資尺度の一部は割安感が薄れてきたと思われる。相場全体を底上げするような展開から、今後は来期の業績予想を意識しながら個別選別物色にシフトすることになろう。
4/4から東証の新しい市場区分がスタートする。これまで市場第1部、市場第2部、マザーズ、JASDAQ(スタンダード・グロース)の4つの市場区分であったが、プライム市場・スタンダード市場・グロース市場の3つの分類に。
市場区分の変更に伴い株価指数の見直しも予定されており、注意が必要か。東証が算出する株価指数は、継続的に算出される株価指数、新設される株価指数、廃止予定の株価指数の3パターンになる。
岸田首相は3/29の閣議で、原油価格や物価の高騰に対応し、コロナ禍からの回復を確かなものにするための、総合緊急対策の策定を指示した。経済活動活性化に資する対策であることを期待したい。
(3/30記 投資調査部 大塚)