【世界市場の見通し】日米中ともに不安定な値動き継続か
3/14~3/18の世界市場は、日米中共に不安定な値動き継続か。
日本株市場は神経質な展開を想定。ウクライナ情勢や資源価格高騰などを背景に景気や企業業績の減速懸念などから、リスクオフムードが強まる場面があると見る。短期売買を交えて荒い値動きになりそうだ。長期的には地政学リスクは収束に向かうと考えられ反転に備えた逆張り戦略も有効と考える。日銀の金融政策決定会合(3/17~18)は無風通過を予想。
米国株市場は、不安定な値動きを予想。資源価格高騰や国際関係の緊迫化から資源関連や国防関連が物色される場面も。アラブ首長国連邦が原油増産支持も規模は不透明。米政府もエネルギー政策転換に後ろ向きな印象で、エネルギー価格は高止まりの可能性も。FOMCは25bpの利上げを予想。量的引締めへの言及や資源価格高騰がFRBの物価や金利の見通しにどの程度影響するかも注目か。22年の利上げ予想回数が4~5回に留まれば安心材料と考える。週末クアドルプルウィッチングを控えポジションの整理には注意が必要か。
中国株市場は、不安定な相場展開続くも下値抵抗感も。全人代の今年の成長目標は+5.5%と市場予想+5.0%を上回った。政府は減税や税還付を2.5兆元計画し、電気自動車や農村での省エネ家電の消費支援策を打ち出すが、ゼロ・コロナ政策を維持する中で成長目標達成は難しいと考える。3/15発表の1~2月の主要経済指標は、新築住宅は大幅減を見込むが、PMIが上昇傾向にあり、それ以外の主な指標は概ね12月からの回復を見込む。
(3/10朝記 投資調査部 藤本)
【日本株投資戦略】引き続き神経質な展開を想定
3/14~3/18の日本株式市場は、引き続き神経質な展開を想定する。予断を許さぬウクライナ情勢に加え、エネルギーなどの資源価格高騰などを背景とした景気や企業業績の減速懸念などから、リスクオフムードが強まる場面がありそうだ。3月期末接近でもあり、積極的な買いが入りにくい環境か。
ボラティリティーの上昇に伴い短期筋の投機的な先物売買が活発化しているもよう。ただ、現状売り方も売り持ちを維持するのは困難が伴うと推測され、短期売買を交えて荒い値動きになりそうだ。ニュース報道等で瞬間的に乱高下する場面も想定される。留意したい。
このところの日経平均の大幅な調整は、ロシアに依存しない新しい枠組みを織り込み始めた結果と考える。波乱含みの相場ではあるが、目先的には逆張り戦略が有効か。足もとの地政学リスクはいずれ収束するとみられ、今後の相場反転に備える必要もあろう。
ロシアのウクライナ侵攻は、多くの企業の株式価値を継続的に毀損させる出来事ではないと考えられ、足もとの株価急落は、中長期的な投資のリターンを拡大させるイベントとして捉えたい。
なお来週は、3/15~16に米FOMC、3/17~18は日銀の金融政策決定会合が開催される予定だが、波乱はなさそう。
(3/9記 投資調査部 大塚)