【世界市場の見通し】日米や香港株が不安定な値動きの中、中国本土株が確りか
3/7~3/11の世界市場は、日米や香港株式が不安定な値動きの中、中国本土株が確りか。
日本株市場は神経質な展開を想定。ウクライナ情勢の不透明感が重石となりそうだ。ただ日経平均の予想配当利回り(QUICK予想)は2.39%とリーマンショック後の2.67%や新型コロナ感染拡大初期の2.6%を意識する水準に近づきつつある。これまでの調整で地政学リスクはある程度織り込んだと考えられ、事態好転は反発の材料になりそうだ。
米国株市場は、不安定な値動きを予想。ウクライナ情勢緊迫化の影響は原油や天然ガス、穀物価格上昇による物価上昇圧力や欧州景気減速を通じたものが中心になると考える。この他には自動車や半導体で用いられるパラジウムや、ウクライナへの依存度が高いとされる半導体で用いられるネオン等の動向を通じて、特定産業への影響が懸念される。ECB理事会と米CPIの発表が3/10に予定され、3/15~16のFOMCに向けて思惑が錯綜しそうだ。
中国株市場は、本土株は確りも香港株は軟調推移か。2月のPMIが予想外に上昇し金融緩和などを背景に景気が持ち直しつつあることが示された。3/5開幕の全人代では景気安定が最重要視されると考えられ、新型インフラ投資拡大や省エネ家電への購入補助金等の景気刺激策が決定されよう。ウクライナ問題は解決の目途が立たず、中国がロシア寄りの姿勢をとっており、香港株は外国人投資家から敬遠される可能性もありそうだ。
(3/2記 投資調査部 藤本)
【日本株投資戦略】引き続きウクライナ情勢を巡る不透明感が重荷に
3/7~3/11の日本株式市場は、神経質な展開を想定する。
引き続きウクライナ情勢を巡る不透明感が重荷になりそうで、不安定な地合いが予想される。ロシアの動向に一喜一憂し、その挙動が相場を揺らす場面がありそうだ。問題の解決には困難が伴いそうで、ニュースひとつでムードが一変、ボラティリティーが高まる場面もあろう。
もっとも、これまでの調整でリスクの織り込みも相当程度進んだとも考えられ、事態好転の兆しが見えれば、株価反発の場面もありそうだ。
このところの株価下落で日経平均の予想配当利回り(QUICK予想)は2.39%(2/28時点)まで上昇。2000年以降の推移を月足ベースでみると、09年1月(リーマンショック後)に付けた2.67%や、20年3月に付けた2.60%(新型コロナ感染拡大初期)に迫る水準となっている。3月期末でもあり、予想配当利回りが相場を下支えしよう。日経平均は配当利回りやPER等のバリュエーションを考慮すれば割安な水準と思われ、突っ込み場面は買いで対応したい。
また、地政学リスクへの対応から米FRBが利上げペースを若干緩める可能性もありそうで、そうなればグロース株には好材料といえよう。
なお、3/11には3月限の先物・オプションのSQが控えており、最終売買日である3/10の後場や3/11寄り付きの時間帯にはSQ絡みの投機的な売買が相場をかく乱する可能性があることに留意したい。
(3/2記 投資調査部 大塚)