【世界市場の見通し】日本は不安定な展開を想定も、米中は徐々に戻りを試すか
2/21~2/25の世界市場は、米中は戻り試すも日本は不安定な値動き継続か。
日本株市場は不安定な値動きを想定。「遠くの戦争は買い、近くの戦争は売り」との相場格言もあるが、欧州情勢が不透明なこともあり、リスク回避ムードが継続か。ただウクライナへの侵攻リスクはある程度織り込んだと考えられ、解決、侵攻後株価が戻りを試す可能性には留意したい。企業業績も概ね改善傾向にあり割安感が意識される水準か。
米国株市場は、上値は重いが戻りを試す展開を予想。ウクライナ情勢は緊張緩和に向けて動き出した印象。周辺のロシア軍の規模や季節性を考えるとウクライナ侵攻の実現の可能性は低いと見る。ただ金融引締めへの懸念が戻りを抑制しそうだ。米物価上昇の高止まりから、市場では3月のFOMCでの50bpの利上げ実施との見方が台頭し金利先高観がある。ハイテク企業の決算発表が本格化する予定。
中国株市場は、全人代に向け底値切り上げと予想。新型コロナの影響で非製造業中心に1月の景況感は後退しているものの、金融当局が緩和を進めている。また中国の社会科学院がゼロコロナ政策からの転換を促すような提案をしている。北京五輪が閉幕することもありゼロコロナ政策の緩和に期待。ウクライナ情勢やアリババ集団の決算から値動きが不安定となる可能性はあるが、全人代等への期待感から徐々に底値切り上げか。
(2/16記 投資調査部 藤本)
【日本株投資戦略】不安定な展開想定も、リスクの織り込みが進んだとみる
2/21~2/25の日本株式市場は、ウクライナ情勢やインフレ懸念等から不安定な展開の継続を想定する。
ウクライナ情勢の緊迫化は、「遠くの戦争は買い、近くの戦争は売り」として地政学リスクの高まりを押し目買いの好機として捉えることもできようが、まだ先行きが不透明な状況にあって、リスク回避ムードは継続しそう。
もっとも、これまでの調整で侵攻リスクを相場が相当程度織り込んで来たとも考えられ、解決または侵攻後、株価は反発する可能性があることにも留意したい。ポイントはウクライナでの軍事侵攻の有無と、あるとすればその規模となるだろう。隣接する欧州株式の動向に注意が必要か。
3Q累計(4~12月)の決算発表がほぼ一巡し、今後は来期(2023年3月期)を見据えた銘柄選別が進むものと考える。QUICKの集計(東証1部の3月決算企業、2/15時点)によれば、今期(22年3月期)の会社予想は売上高が前期比8.10%増、純利益は同63.59%増に。期初の会社予想比で売上高は2.97%の上方修正、純利益は同23.72%の上方修正になる見込み。総じて収益改善が見込まれる状況か。企業収益などを踏まえると、足もとの日経平均は割安感も意識される水準か。
2月に再開したIPO(新規上場)だが、今後徐々に増加する見込み。IPOスケジュールを見ると2/22から3/24にかけて10社が新規上場の予定(2/16時点)となっている。
新興市場の需給に与える影響に留意したい。
(6/12朝記 投資調査部 大塚)