【世界市場の見通し】日米はまちまちの展開だが、中国株は欧米の戻りに追随か
2/7~2/11の世界市場は、日米はまちまちの展開だが、春節休場明けの中国は欧米の戻りに追随か。
日本株市場は値固めの展開を想定。先物主導で突っ込む場面も想定されるが、買いで対応したい。バリュエーション面でも21年のピークの26倍(予想PER)からおよそ半分の水準まで低下しており、割安感が出てきていると考える。先行きに不透明感は残るものの、決算説明会で前向きな発言があれば、好感されると考える。
米国株市場は落ち着き処を探る展開か。企業業績は概ね好調で押し目買いも期待できる状況と考えるが、下落前のレンジに近づいていることから戻り売りには警戒が必要と考える。また2/10には米CPIの発表が予定されており、3月の利上げ幅やそれ以降の利上げペースに対する思惑が広がる可能性があると考える。CMEのFed Watchにはある程度3月、5月、6月の連続利上げが織り込まれているとみる。
中国株市場は、本土市場、香港市場共に確りか。欧米市場が春節の長期祝休日中に上昇したため、春節明けは中国市場もその上昇を後追いしよう。新型コロナ感染拡大やゼロコロナ政策を背景に中国の製造業・非製造業PMIは冴えない結果となったが、政府のインフラ投資や気温上昇によるコロナの収束に伴い回復に向かうと考える。香港市場は米国市場の戻りに追随し、確りの展開を想定する。
(2/2記 投資調査部 藤本)
【日本株投資戦略】EPSの拡大に沿って相場が上昇する見通しに変更はない
2/7~2/10の日本株式市場は、値固めの展開を想定する。引き続き、決算内容や外部環境を織り込む流れとなろう。オミクロン株の感染拡大が続き、先行きに対する不透明感は残るが、決算説明会等で経営者から先行きに対するポジティブな発言が出るようであれば、好材料として評価されよう。
目先の材料に乗じ、短期筋の投機的な先物売買でなお一時的な波乱想定も、突っ込み場面は買いで臨みたい。EPSの拡大に沿って相場が上昇する見通しに変更はなく、中長期的な相場上昇を予想する。
1月末にかけて株式市場が一気に下落したことで投資家心理は急激に冷え込んだと思われるが、日経平均予想PER(QUICK予想)は日経平均が841円安した1/27に昨年夏以来の13倍台を割り込み12.99倍となった。足もとの予想PER(同)は21年のピークの26倍台から約半分の水準まで低下しており、現在の水準はバリュエーション面からは、さすがに売られ過ぎと言えよう。日経平均を日経平均予想PER(同)で除して算出した日経平均予想EPS(東洋証券算出)は2,000円台を維持しており、堅調推移とみる。
1/27に発表された米国の2021年4Q(10~12月)の実質GDP速報値はオミクロン株の影響が懸念されたが、好調な個人消費を背景に前期比6.9%増と、3Qの2.3%増から伸びが加速。Bloomberg予想を上回った。米景気への過度な懸念は不要か。
(2/2記 投資調査部 大塚)