【世界市場の見通し】米中が冴えない動きの中、日本株が確りか
9/20~10/1の世界市場は米中が冴えない中、日本株が牽引か。
日本株は、目先の売りをこなしながら上値余地を探る展開を想定する。テクニカル面からは短期的な過熱感が意識されやすい状況か。もっとも、買いそびれた投資家も相当程度いそうで、押し目を待つ投資家も多いのではないか。8月末から買い越しに転じた海外投資家と逆張り姿勢を続ける個人投資家の動向に留意したい。
米国株は景気への警戒感や経済対策の議会審議を巡り方向感を探る展開か。8月のCPIは物価上昇が一服し始めたことを示唆する内容だったため、9月のFOMCで引締めに向けた強めのメッセージが出る可能性は低下したと考える。経済対策を巡る審議は、法人税率の引上げ幅や3.5兆ドルの経済対策の規模感を巡り米議会内で議論が分かれているようだ。下院民主党案は当初の政府案よりも企業寄りと考える。
中国株は軟調な推移か。小売売上高は前年比2.5%増(市場予想同7.0%増)で景気減速懸念を抱かせる内容。半導体不足による自動車販売の不振等が響いたようだ。ただ半導体製造の後工程等で重要なマレーシアの経済活動再開が進めば解消に向かうか。また中国恒大集団のデフォルト懸念も相場の重石か。当局から9/20のローンの利払いは不能と金融機関向けに通知が出ているようだ。
(9/16記 投資調査部 藤本)
【日本株投資戦略】海外投資家が買う相場は強い
9/21~10/1の日本株式市場は、目先の売りをこなしながら上値余地を探る展開を想定する。8月末から買い越しに転じた海外投資家と逆張り姿勢を続ける個人投資家の動向に留意したい。
日経平均は9月に入り急ピッチに上昇。8月末に比べ8.6%高い水準(9/15時点)となっており、テクニカル面からは短期的な過熱感が意識されやすい状況か。もっとも、買いそびれた投資家も相当程度いそうで、押し目を待つ投資家も多いのではないか。好需給は維持されるとみる。また、株価上昇によって個人投資家等の余力は以前に比べ増していると思われ、相場全体で見れば好材料か。
加えて、国内の新型コロナの新規陽性者数は減少傾向で、2回のワクチン接種を終えた人が国内で5割超まで上昇。経済正常化への期待が高まりやすいと思われる。
自民党総裁選挙を9/29に控え次期政権への政策期待も維持されよう。製造業を中心に国内の企業業績が堅調であること等も相場を下支えする好材料と思われる。
欧米等の主要株価指数に比較し出遅れ感のある日本株には先物経由の短期資金だけでなく、海外投資家の中・長期資金も流入すると考える。日本株は底堅く推移すると見込まれよう。
(9/16記 投資調査部 大塚)