【世界市場の見通し】中国株は不安定な値動きの中、日米は比較的確りか
8/16~8/20の世界市場は、中国株は不安定な相場展開を想定するが、日米が比較的確りか。
日本株は、決算を評価し上値余地を探る展開を想定する。
8/13で4~6月期の決算発表がほぼ一巡。企業業績の回復基調が改めて確認されたと考える。これまで業績回復期待と新型コロナへの懸念が拮抗する相場であったと思われるが、今後は徐々に下期以降の業績期待が力を増す流れになるのではないか。
米国株は大規模経済対策が上院を通過したことを背景に比較的確りとした相場展開を想定。米国の経済対策はインフラ関連銘柄だけでなく、GDPの押上げを通じて株式市場を後押ししそうだ。また、雇用統計が好調だったことから、8/26~28のジャクソンホールの会合を控え、週後半には金融引締めへの懸念が台頭する可能性はあるものの、労働参加率の低さからあまり踏み込んだ発言はないと予想する。
中国株は不安定な値動きか。突発的に繰り出された規制は北戴河会議に関連したものと考えられ、最悪期は通過したものと見込む。ただ、社会融資総量が前年同月比で37%減少したことから、8/16発表予定の経済指標の下振れが予想される。不安定な値動き継続か。
(8/12記 投資調査部 藤本)
【日本株投資戦略】決算で企業業績の回復基調が改めて確認されたと考える
8/16~8/20の日本株式市場は、決算を評価し上値余地を探る展開を想定する。
8/13で4~6月期の決算発表がほぼ一巡する。QUICKの集計によれば東証1部上場企業(金融を除く)の2022年3月期の純利益の会社予想は前期比46.12%増(8/11時点)になる見込みで、期初からは6.52%増(同)の上方修正になるもよう。企業業績の回復基調が改めて確認されたと考える。これまで業績回復期待と新型コロナへの懸念が拮抗する相場であったと思われるが、今後は徐々に下期以降の業績期待が力を増す流れになるのではないか。
首都圏を中心に新型コロナの感染者が依然として増加傾向にあり、景気の先行きに対する懸念もありそうで、株式市場の重しになっているもよう。もっとも、感染者の増加は緩和的な金融環境を長期化させるものとなり、過剰流動性を維持・強化する方向に作用しよう。ワクチン接種の進展も考慮すれば、感染者数の動向に一喜一憂する必要はないだろう。感染者数への株価の反応も限定的に見える。中長期的な投資という観点からは、押し目は良い買い場であると捉えたい。
日経平均の年初来騰落率は2.28%(8/11時点)。その一方で、TOPIXのそれは8.28%(同)と大きく異なる状況に。日経平均は組入比率の高い一部銘柄の影響を受けやすい指数であるため、日経平均だけを見て悲観する必要はないと考える。
(8/12記 投資調査部 大塚)